佐藤信(さとう・まこと)
劇作家・演出家。1943年東京生まれ。66年、串田和美・斎藤憐・吉田日出子らと劇団「自由劇場」を結成。70年に大型テントで公演を行って以後、「68/71黒色テント」の中心的な劇作家・演出家として、全国移動公演を20 年以上継続する。『喜劇昭和の世界』三部作(『阿部定の犬』『キネマと怪人』『ブランキ殺し 上海の春』)は72~79年の間に何度も書き替えながら上演された。69年『おんなごろしあぶらの地獄』などで第4回紀伊國屋演劇賞個人賞、71年『鼠小僧次郎吉』で第16回岸田國士戯曲賞を受賞。「アジア演劇」「演劇ワークショップ」「演劇の公共性」「演劇と教育」についての発言と実践活動も積極的に行う。「世田谷パブリックシアター」劇場監督(97~2002年)を経て、09年より「座・高円寺」芸術監督。「劇団黒テント」演出部所属。個人劇団「鴎座」主宰。
2015年8月
6日(木)18:00★
7日(金)18:00★
8日(土)14:00◆
9日(日)14:00◆
【全4ステージ】
※受付は開演の40分前。開場は開演の20分前。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。
シアタートーク|8月8日(土)14:00の回終演後。
ゲスト:西堂行人(演劇評論家・近畿大学教授)
エイチエムピー・シアターカンパニー
2001年、hmpの名前で活動開始、08年に現在の劇団名に改名。<”再”発見>を劇団のミッションとして掲げ、「同時代の海外戯曲シリーズ」「現代日本演劇のルーツ」「エクスペリメンタル・パフォーマンス」の3つのカテゴリを中心に作品創作を行っている。笠井友仁は、『アラビアの夜』の演出で平成26年度(第69回)文化庁芸術祭新人賞を受賞。
http://www.hmp-theater.com/
笠井 友仁時代を越えて、現在に通じる作品がある。佐藤信の『阿部定の犬』がそうだ。
舞台となるのは、“概ね”昭和十一年の東京市日本晴れ区安全剃刀町。夢と現実の狭間に浮かび上がった町。その町に、好いた男のちんぽこを切りとった女が現れる。小さくなった恋人を風呂敷に包み、オペラ通り、角田川、女は安全剃刀町内を駆けめぐる。女の名前は「あたし」。町の秩序を破壊する、ひとりぼっちのふたり連れ。
この上演を通して、「二・二六事件」や「阿部定事件」が起きた「昭和」という時間を現在の時間として経験してもらいたい。未だ終わらぬ「昭和」を再発見すること。それが出来る舞台作品が『阿部定の犬』である。