2019年度次世代応援企画break a leg
「break a leg(ブレイク ア レグ)」とは、これからパフォーマンスを始める人に向かって「成功を祈る」という意味で用いられるフレーズ。
本企画では、アイホールで上演企画のなかった若手表現者に会場を提供し、次代を担う才能の発掘・育成を目指します。
新風を吹き込んでくれる表現者たちの競演にご期待ください。
若手支援を目的としてスタートを切った「break a leg」という本企画。これまでたくさんの団体の新しい舞台を目の当たりにしてきた。もちろんすべての作品が完成したものであったと云えば嘘になるが、その上演に至るプロセスにこそ大きな意義があったと思う。
本年度選出された二団体は、これまでと比較しても注目株と言って差し支えないだろう。立ツ鳥会議は、作者植松厚太郎さんの脚本の構成力に圧倒的な力を感じる。今回は新作での挑戦となるが、一層の飛躍に期待したい。ばぶれるりぐるは実力派の俳優を揃えた。作者竹田モモコさんは劇作家としては新人であるが、的確な台詞の運びに凄みを感じる。
30年以上も関西小劇場に関わってきた身としては、昨今の進境著しい新しい世代を心底頼もしいと感じ、エールを送りたい。時代の閉塞状況は増しているのだから、せめて演劇は真に自由な表現行為であって欲しいと。
アイホールディレクター 岩崎正裕
戯曲の力を強く感じた二団体です。立ツ鳥会議は平易なセリフの応酬からシームレスに物語と美しい構造を立ち上げる巧みな印象、ばぶれるりぐるはエンターテインメントと内面的な問題とを往来しながら成立させてしまう豪腕なセンス。どちらも複雑な内面をわかりやすく届ける戯曲手法が独自、かつ洗練されていたように思います。
初めてのAI・HALL公演にて、自分の戯曲がどこまで届くか心配だった不器用な僕は、単純に空間を埋めよう埋めようと表現を広げることに躍起になっていました。けれど力強い戯曲を生み出す彼、彼女たちの体幹なら、間口が広く、天井も高く、密閉されたAI・HALLという大きな空間すら自分独自のフィールドへ容易に取り込んでしまいそうな気がします。
会場が彼・彼女たちの世界に書き換えられてしまうことを期待しています。
break a leg!
選考委員 泉寛介(badged café)
◆2019年度参加団体
立ツ鳥会議 第6回公演『夕夕方暮れる』めくるめく 月曜日と火曜日と水曜日と木曜日と金曜日の群像劇都市郊外の公園の一角。夏の夕方。 緻密な会話劇とトリッキーなアイデアの融合で独自の世界観を築く立ツ鳥会議の新作は、同時に暮れ行く五つの「夕夕方」の物語。
作・演出/植松厚太郎 6月8日(土)13:00/18:00 ★チケット発売中
立ツ鳥会議[大阪/東京] |
ばぶれるりぐる 『ほたえる人ら』前代未聞!? ”幡多弁”で繰り広げられるシチュエーションコメディ海と山に挟まれた小さな村の「区長場」。
6月14日(金)19:30 ★チケット発売中!
ばぶれるりぐる[大阪] |
◆植松厚太郎(立ツ鳥会議)×竹田モモコ(ばぶれるりぐる)インタビュー こちら
【参加団体募集‼】
2020年度 次世代応援企画break a leg
アイホールで上演経験のない若手カンパニーを対象に、参加団体を募集します。募集要項など詳細は、応募団体募集サイトでご確認ください。東西問わず、たくさんのご応募をお待ちしております。
[選考委員]
岩崎正裕(アイホールディレクター)
泉寛介(badged café 劇作家・演出家)
[応募期間]
2019年7月1日(月)~7月22日(月)22:00必着
会場・お問い合わせ
AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)
〒664-0846 兵庫県伊丹市伊丹2丁目4番1号
TEL: 072-782-2000 FAX: 072-782-8880
E-Mail: info@aihall.com Twitter: @ai_hall
共催:伊丹市立演劇ホール