演劇
令和4年度 次世代応援企画 break a leg
「break a leg(ブレイク ア レグ)」とは、これからパフォーマンスを始める人に向かって「成功を祈る」という意味で用いられるフレーズ。
本企画では、アイホールで上演機会のなかった若手表現者に会場を提供し、次代を担う才能の発掘・育成を目指しました。
ファイナルとなる今回も、新風を吹き込んでくれる表現者たちの競演にご期待ください。
努力クラブの作品世界は徹底してネガティブでありながら清々しい。世間一般からは蔑まれ、疎まれるような人物を、合田団地さんの眼差しは優しく掬い取ろうとする。シニカルな笑いにまぶして。現在、身動き出来なくなってしまった社会と努力クラブの生み出す新作は響き合うのだろう。
プロトテアトルは対話劇の高みを目指していると感じた。演技者の質の高いアンサンブルは演出者との綿密な作業からしか生まれない。スタッフワークの総合力がしっかりと劇に厚みを与えている。再演とのことであるが、FO ペレイラ宏一朗さんは加筆修正に意欲ありとのこと。仕上がりに期待したい。
さて10回目を数えるbreak a legであるが、今回で一区切りとなる。区切りなど必要ないはずだ、と本音では思う。これまで関わってくれた団体が活動を継続してくれることで、これまでのアイホールは報われる。問題はこれから。
アイホール・ディレクター 岩崎正裕
努力クラブは京都・大阪・東京に至る広範囲で、秀作を驚異のペースで量産してきました。細やかな心の機微を掬いとるミニマルな会話劇を土台とし、ペーソスを交えたユーモアでコーティングされた等身大の後ろ暗い感情がふいに爆発したりしなかったりする独自の劇世界が、ダメダメな今の世界をどう映すのか映さないのか。プロトテアトルは実験性を巧みに紛れ込ませた端正な戯曲と、それを誠実に立ち上げる演出、また外部出演でも際立った個性を見せる俳優陣の安定した実力も相まって、信用に値する堅実な歩みを進めてきました。両団体とも積み上げてきたキャリア・実力とも申し分なく、アイホールには満を持しての登場と言えます。
さてこのbreak a leg、今回でおしまいらしいです。なんじゃそれー。ゆくゆくはもっともっと色んな新しい風をアイホールに吹かせたかった。まあだからといってもちろん両団体には有終の美なんて飾らないでいただきたい。世の中むちゃくちゃなので、ケガしない程度にむちゃくちゃやってください。
選考委員 三田村啓示
◆2022年度参加団体
努力クラブ 第15回公演『誰かが想うよりも私は』ネガティブな/ネガティブとされている、私的で後ろめたい事象や感情を題材とした”コメディ”を得意とする努力クラブ。
努力クラブ[京都] |
プロトテアトル第11回公演『レディカンヴァセイション(リライト)』
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次世代応援企画break a leg 関連企画 次世代応援企画break a legの最終開催となる今回、選出されたプロトテアトルと努力クラブは、同じプランナーの手による舞台美術になります。そこで、舞台美術を切り口に、より両団体を楽しんでいただける展示を開催いたします。
日程: 6/4(土)〜6/12(日)9:30〜21:00 会場:アイホール 1Fホワイエ ◎「プロトテアトルと努力クラブの舞台美術」展 今回「break a leg」の両公演も含めて、同じ美術プランナー(松本謙一郎)による両団体の直近3作品の舞台美術を、現物の装置と図面やスケッチ・模型・写真などにより展示します。舞台よりさらに近くで、両団体の作品世界とその裏側に触れていただくことが出来ます。 ◎山口良太インスタレーション作品「2002/2022」 関西の小劇場を始め幅広く活躍するグラフィックデザイナー・山口良太氏が「舞台美術」としてつくったインスタレーション作品。学生劇団出身である山口氏が、まさに次世代として「演劇とデザイン」に出会った2002年を、グラフィカルな空間と私小説的な物語で表現する“架空の演劇” の “架空の舞台美術”である。 ★問い合わせ先 努力クラブ/MAIL:doryokukurabu@yahoo.co.jp |
◆合田団地(努力クラブ)×FOペレイラ宏一朗(プロトテアトル)インタビュー
観劇の前後に、ぜひご一読ください。
2022年度次世代応援企画break a leg 合田団地(努力クラブ)×FOペレイラ宏一朗(プロトテアトル)インタビュー
会場・お問い合わせ
AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)
〒664-0846 兵庫県伊丹市伊丹2丁目4番1号
TEL: 072-782-2000 FAX: 072-782-8880
E-Mail: info@aihall.com Twitter: @ai_hall
共催:伊丹市立演劇ホール