令和元年5月27日(月)、7月22日(月)、9月9日(月)、11月11日(月)、12月9日(月)
各回19:15~21:00
講師/西堂行人(演劇評論家)+ 笠井友仁(演出家)
会場/カルチャールームB
対象者/年齢や演劇経験は問いません。
定員/25名(申込順)
受講料/全回一括:5,000 円
※1回ずつの単発受講もできます:1回1,500円。
演劇評論家・西堂行人が次代を担う演劇人育成のために立ち上げ、今年で開講14年目を迎える世界演劇講座。
今回のテーマは「現代演劇史を再考する」
日本演劇史の中で「戦後」に当たる時代を取り上げ、1960年代後半からの現在までの約50年間を考察。
現代演劇の出発を画するいくつかの出来事が起こった1967年を起点に、木下順二、千田是也に代表される戦後新劇の出立と、やがて新劇から離れていく福田善之や劇団青芸などアングラ・小劇場への「過渡期」、近代以降の演劇史に決定的な断裂を与えた、唐十郎、寺山修司、鈴木忠志、佐藤信らのアングラ・小劇場運動、以後に続く若い世代の系譜を中心に、アングラから小劇場へと直線でつながらない演劇史の屈折と褶曲、時代の推移を再考します。
毎回、前半は問題提起のレクチャー、後半は映像を参照しながら、受講生とのディスカッションを中心に行います。演劇史を基礎から学び、あなたの観劇体験や作品制作に生かしてみませんか。
【第1回】5月27日(月) 戦後新劇の出立
戦後になって劇作家の木下順二や演出家の千田是也,俳優の宇野重吉らを軸に新劇が復活する。そのイメージは俳優座、民藝、文学座の三大劇団やその周辺の衛星劇団などにより確立し、1950年代末には進歩的な戦後民主主義のシンボルとしてピークに達した。
【第2回】7月22日(月) 新劇からアングラをつなぐ
安部公房や三島由紀夫らは新劇の内部にいながら「新劇以後」をめざす。一方、学生演劇出身の福田善之や彼が関わった劇団青芸は、アングラへの過渡的な役割を果たした。演劇は「近代演劇」の枠組みから逸脱し、60年代に始まる演劇革命へつながっていく。
【第3回】9月9日(月) アングラ革命と熟成 1967~1986
67年に花園神社に出現した唐十郎率いる状況劇場の紅テントは、新劇以後のシンボルとなった。寺山修司の天井桟敷は実験演劇を、鈴木忠志の早稲田小劇場は身体に依拠する演技を追求した。佐藤信と黒テント、蜷川幸雄、太田省吾らも加わり、運動は開花した。
【第4回】11月11日(月) 小劇場演劇の持続と多様な広がり 1987~2003
小劇場の運動は、団塊世代の第二世代、戦後の豊かさを背景とする第三世代へと引き継がれた。小劇場を核とする現代演劇は他ジャンルへと越境し、多様な広がりを展開した。ミュージカルの劇団四季や宝塚もまた現代演劇を構成する重要な要素となった。
【第5回】12月9日(月) 危機と再生から21世紀へ 2004~現在
21世紀に入り、演劇はドラマとパフォーマンスに分極した。ポストドラマが唱えられ、前衛的な実験も変容した。演劇はグローバル化の渦中にあって方向性を模索し、未曾有の自然災害と国際政治の混乱に直面して演劇はその有効性を問われることとなった。
主催/世界演劇講座