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土曜日のワークショップ『ストレッチ・エクササイズ』

令和7年1月11日(土)~3月8日(土)

令和7年
1月11日(土)
2月8日(土)※キャンセル待ち
3月8日(土)※キャンセル待ち

各回10:00~12:00 ≪全3回≫ 

ストレッチ


ゆっくり時間をかけながら、身体の内側の筋肉や関節を丁寧に解きほぐしてゆくエクササイズです。腰を起点に、背骨から頭、指先への連続したつながりを感じながら、身体の歪みを整えてゆきます。
ふだん慣れ親しんでいるご自分の身体をあらためて、みつめてみませんか。


会場/
東リ いたみホール 大和室(4階)
(伊丹市宮ノ前1-1-3 )

対象/
中学生以上

定員/
18名程度(先着順) 

受講料/
全回受講:3,000円
※初回時納入。一旦納入した受講料は返金できません。ご了承ください。
1回ずつの単発受講:1,200円 

持ち物/
・バスタオルもしくはヨガマット(床に寝転ぶ際に使用)
・靴下
※更衣室はございませんので、動きやすい服装でおこしください。


主催/公益財団法人いたみ文化・スポーツ財団、伊丹市
企画製作/伊丹市立演劇ホール

【お知らせ】イベントホールで公演を行う場合の新利用料金プラン始まります。<令和5年4月1日以降許可分より適用>

★公演プラン★

イベントホールを3日以上連続利用&伊丹市民還元にご協力いただける団体様、施設利用料と付帯設備利用料が通常料金の7割相当になるお得なプランです!
※令和5年度4月1日以降許可申請分より適用となります。

 

◆3日以上の連続利用で演劇・ダンス等の公演を行う

 仕込・本番・撤去まで丸3日以上のご利用に適用します。演劇・ダンス等の一般に向けての公演利用であること。関係者のみの催しや稽古・練習での利用は適用外です。

◆伊丹市民還元チケットの設定があること

 伊丹市民割引、もしくは市民招待(1公演に数名ずつ)でも構いません。チラシやWEBで告知をお願いします。

◆アイホール主催事業のチラシ、伊丹「鑑賞de寄っトク」チラシ、アイホール利用者アンケートの折り込みの受け入れ

◆その他、市民還元事業に協力

 中学生のトライやる・ウィーク(職業体験活動)や大学のインターン生の研修を受け入れる期間に重なった場合にはご協力をお願いします。またその他に、例えば稽古見学やプレトークなど、伊丹市民へのアピール企画など歓迎します(こちらは努力義務です)。

 

 

★ロングランプラン★

公演プランが適用される条件を満たしたうえで、連続利用が7日以上(休館日を除く、最長14日まで)になる場合、施設利用料は通常料金の7割相当ですが、付帯設備利用料が通常料金の5割相当になる、さらにお得なプランです!

 

※ただし上記プランいずれも申請者が伊丹市(および川西市・宝塚市・三田市・猪名川町)以外の団体様、また営利利用と見なされる団体様は、プラン適用後に割増料金がかかります。

 市外割増・・・公演プラン適用後1.5倍

 営利割増・・・公演プラン適用後1.5倍

 市外+営利割増・・・公演プラン適用後2.25倍

 

※別途、舞台管理人件費は各日1名ずつ必要になります。

 1日(3区分)・・・23,100円(税込)/1名  仕込み・バラシで増員が必要な場合別途、ご相談ください。

 

イベントホール公演プラン含む料金表はこちら

R6年度舞台管理人件費および舞台消耗品等料金表はこちら

 

詳細はアイホールまでお問い合わせください。

見積のご依頼はメールでお願いいたします。希望日がお決まりでなくても「ざっくり金額が知りたい」というお見積もご対応いたします。

TEL 072-782-2000  FAX:072-782-8880
E-MAIL: info@aihall.com

ニットキャップシアター『さらば、象』プレイベント
リーディング公演『国道171号線を行く象』

令和6年12月16日(月)19:00

会場:伊丹アイフォニックホール1階特設会場(旧レストランエリア)

令和6年
12月16日(月)19:00
※受付開始・開場は開演の30分前

会 場: 伊丹アイフォニックホール1F 特設会場( 旧レストランエリア)〒664-0895 兵庫県伊丹市宮ノ前1-3-30
アクセス方法はコチラをクリック

入場無料(定員30名程度、要予約)


本作は、アイホールの自主企画「伊丹の物語」プロジェクトの二年目に創作した短編連作『イタミ・ノート』の中の一編『国道171号線を行く象』を朗読劇にした作品です。
1970 年の大阪万博に出場する象たちが、国道171 号線を神戸港から千里の会場まで歩いたエピソードに基づいて創られました。
実際の写真を織り交ぜながら、当時の伊丹の様子を描きます。



12月1日(日)13:00~開催の演劇サロンで、本作の基となった【「伊丹の物語」プロジェクト】の創作過程やエピソードなどを、たっぷりと話します。そちらも、ぜひお越しください。

アイホールまちかど広場 演劇サロン『「伊丹の物語」が紡ぐもの~何を知り、何を描くか~』WEBサイト


主催/一般社団法人毛帽子事務所
共催/伊丹市立演劇ホール
企画協力/伊丹アイフォニックホール

 

劇団太陽族『迷宮巡礼』

令和6年12月20日(金)~22日(日)

令和6年
12月20日(金)19:30
12月21日(土)11:30/15:30
12月22日(日)15:30
※受付開始・整理番号発行は開演の60分前、開場は開演の30分前


祖母は亡くなる少し前、私のことを「シゲルさん」と呼び手を握った。知らない名前だったので黙っているしかなかったが、どうやら早くに亡くなった弟の名前らしかった。祖母が見ている遠い世界は恐ろしくもあり、当人にとっては現実であるようだった。祖母の側からその世界を覗いてみたいと思った。
舞台にはピアノがひとつあるだろう。弾けなくなった演奏家は迷宮に入っていく。これは記憶障害のために譜面を書けず、演奏不能に陥ったモーリス・ラヴェルの晩年に重ねて。
失くしてしまうことは悲惨なのか。手放せば楽になれるのか。予めの出口など用意せず、迷宮を巡る。

岩崎正裕


■チケット/
一般|前売3,500円(当日3,800円)
U-22(22歳以下)|前売2,500円(当日2,800円)
ペア割引|6,000円(予約・前売のみ)
【日時指定・自由席】
※22歳以下は要証明
※チケット記載の整理番号順でのご入場。
前売券ご購入のお客様を優先してご案内します。

【伊丹市民割引あります】
伊丹市民割引 2,500円(予約のみ)
※ 当日、伊丹市在住を証明できる書類等をご提示ください。


極東退屈道場『タイムズ』

平成27年4月24日(金)~26日(日)

2015年4月
24日(金)19:00
25日(土)14:00/18:00
26日(日)14:00

※受付・整理券配布開始/開演の40分前。開場/開演の30分前。

 


独特なモノローグとシーンの断片をコラージュし、ダンス・映像を駆使することで、「都市」の姿を斬新に切り取る極東退屈道場。
大都市固有の交通機関・地下鉄を題材にした『サブウェイ』、フンデルトヴァッサーのデザイン建築から「都市計画」を主題に創作した『ガベコレ』などで次々と話題をさらい、関西演劇界で一躍脚光を浴びる存在となりました。
今回は、第20回OMS戯曲賞特別賞を受賞した『タイムズ』を、「座・高円寺」芸術監督の佐藤信の演出で再演。
家路をたどる4人の女囚たちが、帰巣本能を搭載した未来のクルマ「UMA」に導かれ、場末のゲームセンターから宇宙までを駆け巡る―。
「コインパーキング」という、都市にある宙づりの場所と動かない時間をモチーフに、この世界に在る風景やさまざまな物語の断片と共に描きます。スピード感あふれるセリフと予期せぬ場面展開から抽出される異色作にご期待ください。


■チケット/
一般 前売=3,000円 当日=3,500円
ペア=5,500円
ユース(22歳以下)=2,000円 高校生以下=1,000円
【日時指定・全席自由】
※ペアは前売・予約のみの取扱。
※ユースの方、高校生以下は要証明書。
※10歳未満のお子様のご入場はご遠慮ください。
※演出の都合上、開演直後はご入場いただけない場合がございます。

 

 

■助成/大阪ガス株式会社

平成27年度 次世代応援企画break a leg
福谷圭祐(匿名劇壇)×岩崎正裕(AI・HALLディレクター)対談/前編

 

 

1.匿名劇壇について

b_a_l_44岩崎:僕は大学で演劇を学んで、在学中に劇団を旗揚げしているので、福谷さんたちの考え方や集団の在り方がとても気になっていたんです。きっと僕たちの世代とは考え方も違っているんじゃないかと思うので。

福谷:僕たちは、近畿大学文芸学部芸術学科の舞台芸術専攻21期生が中心になって、2011年に結成した劇団です。在学中はMONOの水沼健さんや竹内銃一郎さん、松本修さんに教わりました。大学での実習とは別に、自主公演を行う機会がありまして、その時に集まったメンバーが主体となっています。結成以降、年二本程度の公演をコンスタントに続けており、今年で4年目になります。

岩崎:同じ大学のメンバーが集まっていると、舞台へのベーシックな部分は共有できているんだよね。

福谷:ただ、演劇の趣味に関しては、そんなに近しいものは感じたことがないです。ゴリゴリのエンタメが好きな子もいますし、静かな会話劇が好きな人もいますよ。

岩崎:ということは、劇団における精神的支柱は福谷さんの作・演出にあるということなのかな。例えば「もっとこういう方向性にしよう」とかは話し合わない?

福谷:作品については、ないですね。もちろん、具体的な公演プランについての話し合いはあります。

岩崎:僕らのときは、卒業して3年も経つと一公演ごとに一人ずつやめていきましたよ。だから、「俺のこと信用して劇団にいるんだよな」という確認はしたいし、それをあえて言葉にせず、次の作業に取りかかっていかないといけない微妙な時期だよね。匿名劇壇の俳優陣は大学時代からほとんど変わらないと聞きました。そう考えると、よく踏ん張ってますよ。

福谷:こんなこと言ったら劇団員に怒られるかな、と思うんですが・・・、みんなは匿名劇壇をやりたくて残ってくれているのかもしれないけど、劇団から誰も去らない状況というのは僕もちょっと異常だと思っています。たぶん危機感がないか、既に心中を覚悟してくれているんだと思います(笑)。

 

2.新作『悪い癖』が描く若者の夢と現実

福谷:作風の説明すwaruikuseる時に「メタフィクション」という言葉を使うのですが、実はそれって曖昧ですよね…。演劇って、言ってしまえばある種のメタフィクションですから。「自画像を描いている」という感覚でしょうか。「自画像」でも「俺たち」でもなく、「自画像を描いている俺たちそのもの」を作品にしているので、メタフィクションの構造が二段階あるところが匿名劇壇の特徴だと思います。

岩崎:前回公演『二時間に及ぶ交渉の末』(2014年)を拝見しましたが、リアルな集団を描こうとしつつも本質的なところはリアルにやろうとしていない。作中に出てきた劇団そのものは、彼らの恋愛関係も含め、全て虚構。そして巧妙に、自分たちの実像からどんどん離れていっている感じがしました。この手の芝居を初めて観た人は「これは本当のこと? それとも嘘?」と惑わされる。それが福谷流のメタフィクションかと思うのですが。

福谷:そうですね。リアルさを持った出来事を、デッサンで描くというより、カリカチュアというか、歪めて誇張して描いているところがあります。

岩崎:『二時間~』は場面数が相当多い印象だったんですけれど、様々な場面から一つの話を構成していくという書き方をずっとしているの?

福谷:初めて台本を執筆した時は、思いつくがまま書いていました。その後、このままではアカンと思い、プロットを作って四場構成の作品を書くようになりましたが、その方法だとあまり筆が乗らなかったんです。それでもう一回、最初の感覚で書いてみようと試みたのが『二時間~』です。結果、意図的にピースの多い作品に仕上がりました。今回も、前作と同じ書き方をしてみようと思っています。全体像を設計してから場面を書くよりも、場面の細部を突き詰めながら書くことで、より深く作品を把握することができるし、作品が自分の思ってもいないところに辿り着ける可能性が大いにあると思っています。

岩崎:物語の時間も行ったり戻ったりして、一方向に流れるわけではないですよね。そういった作品は、昨今「ポストドラマ」と言われたりもしますが、そういう志向で作品を書いているわけではないと。

福谷:ポストドラマを「ストーリーとして説明できないもの」と定義するわけではないんですが、僕の作品は、時系列を前後させたり全然違うシーンを持ってきたとしても、起承転結のあるドラマになっていると思うし、そうしようと思って書いています。

岩崎:具体的に『悪い癖』はどのような作品になりそうですか。

福谷:僕の実生活のグタグタな一面がモデルになっています。例えば、遅刻が多い。貯金がない。年金とかいろんなものが払えていない。…お先真っ暗な感じです(笑)。僕自身は自分のことをそうだとは思ってないんですが、ただ、登場人物をそういうダメな設定にして、かつ性別を女性にしました。彼女を物語の主軸に置き、彼女とは正反対の、もっと煌びやかな毎日を送っている女性のシーンを挟み込んでいきます。

岩崎:いわゆる“リア充”な女性が介入するわけだ。匿名劇壇は男優の存在もすごくくっきりとしていて面白いんだけど、今回、男性はどういう役になるんですか?

福谷:属性的には、概ね恋人です。グタグタな女性に対してグタグタな男が出てくるという。

岩崎:えっ。じゃあ、物語の結末はどうなるの?

福谷:グタグタからの脱却。もしくは、その状況の捉えなおしです。

岩崎:ある意味、肯定的ってこと?

福谷:そうです。自堕落な生活を送っている主人公が、リア充な生活を送っている女性を夢見ているわけです。一方、恋人である男は、彼女にそんな夢を見させないようにする。「お前はこのままの(自堕落な)状態でいいんだ」と。それは彼女に対しての肯定でもあり、レスキューでもありますが、彼女に夢を見させないことで、彼はある種支配的で、悪魔のような存在にも成り得るんです。そういう二面性を出していきたいと思っています。

岩崎:福谷さんたちの世代は、今作の登場人物のことをどう感じているの? 僕らの世代は、社会人3、4年目で少々ダラけていても、“バブル”な時代だったからお金は稼げていたけど、今は違うよね。「大学に行ったらまともに就職する」というルートを敢えて選択せずに、みんなバイトしながら貧乏している。そういった人たちは昨今の“若者たち”の全体像においてマイノリティなんですか。

福谷:いや、むしろそういう人のほうが多いと思っています。ただそのことを悲観的には思っていなくて、夢も希望も“ない”状態がわりとベーシックですね。

岩崎:そうなんだ!

 

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平成27年度 次世代応援企画break a leg
福谷圭祐(匿名劇壇)×岩崎正裕(AI・HALLディレクター)対談/後編

 

3.次世代の目指す先にあるもの

b_a_l_43福谷:初めてアイホールで芝居が打てるのは、すごく嬉しい。あまりプレッシャーには感じていません。前回は、「space×drama2013」の優秀団体として、シアトリカル應典院との協働プロデュース公演でしたので、「誰にも負けちゃダメだ」と感じていました。今回は競争相手がいないので、好きなことを伸び伸びやろうと思っています。特にアイホールは今まで公演してきた劇場のなかでもいちばん大きい空間なので、劇場の高さを活かした演出を何かしたいなと思っています。

岩崎:匿名劇壇を観て、「この人たちは本当に演劇のことを知っているなぁ」と思ったんです。もちろん大学で学ばれたということもあるでしょうけれど、今までの演劇の手法の、ある種の豊かな部分を、入れ子構造で盛り込んでいるように思えたんですね。だから、今までの小劇場演劇での実験は、決して断絶を繰り返してきたわけではなく、世代を経て、新しい演劇人に結実していると思いました。ところで福谷さんは、関西の演劇シーンの中で匿名劇壇の置かれている立ち位置については、どう考えていますか?

福谷:他劇団の作品でも面白いものはありますが、僕は「趣味が合わんなぁ」って感じます。そう思う僕の趣味は多数派だと信じて(笑)、今は作品を創っています。匿名劇壇は、お客さんがたくさん入るタイプの作品とは異なる芝居を創っていますが「僕らのほうが多数派のはずだ」という気持ちはあるんです。「同世代の人が観たら、自分たちがいちばん面白いんだ」と思ってやっています。

岩崎:少数派だと思ったら芝居なんかできないよね(笑)。「もっと多くの観客と出会えば、今よりもさらに自分たちの芝居を肯定的に捉えてくれる人に出会えるんじゃないか」と僕たちもそう思っていますよ。今後はどういうものを書いていきたいと思っているの?

福谷:「親戚が観て面白いと思ってもらえる演劇」を書きたいです。「親戚」というのは、「近しい人」というより「何も知らない人」という意味です。たぶん、大学時代の作品を親戚に観てもらっても「わかんなかった」と言われると思うんですよ。最近は公演を重ねるごとに、よく観に来てくださる劇団員の親御さんに「今回がいちばんよかった」と言っていただけるようになったので、そこは良い方向にシフトしていけているなと感じます。

岩崎:劇団としては、これからどのようにステップアップをしていきたい? 例えば東京に行きたいとか。

福谷:東京公演はやりたいですし、もっと大きな劇場でできるようになりたいとも思います。けれど一方で、僕自身は、劇団ごとステップアップしていく気概はそんなにない。劇団員は「東京b_a_l_45公演やりたい」と言うんですが、本意は「みんなで東京公演をやること」ではなく、「個人的に東京へ行き、お芝居をして、人の目に留まって売れること」じゃないかなと思うんです。だから、劇団として大きくなっていくのは、たまたまでいいのかなぁ、と思っています。

岩崎:すごいドライだね(笑)。20年ぐらい前だと、「自分たちの集団でどうにかなろう」ということが暗黙の了解としてあったけど、今日の話を聞いて、とっても納得してしまった。これまでのbreak a legで出会ったアーティストの中で、芸術系の大学を出て就職せずに劇団を作って活動している人は実はそんなにいなかったから、今回、最も親近感を得られる人に巡り会えた気がしていますね。

福谷:えぇ! ほんまですか! 嬉しいです。匿名劇壇はきっとおもしろいことをやってくれるのではないかという劇場からの予感を的中させられるよう頑張ります。

ハイバイ『ヒッキー・カンクーントルネード』
岩井秀人 インタビュー


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平成27年度公共ホール演劇ネットワーク事業として、7/19(日)・20(祝)に、ハイバイ『ヒッキ―・カンクーントルネード』を上演します。「公共ホール演劇ネットワーク事業」とは、一般財団法人地域創造と複数の公共ホールが共同・連携し実施する事業です。公演に先駆け、作・演出の岩井秀人さんに、作品についてお話いただきました。

公演詳細はこちら

 


02_4岩井秀人(以下、岩井):『ヒッキ―・カンクーントルネード』は、僕が初めて書いた戯曲です。「プロレスラーになりたいけど 引きこもりの男が 外に出られない話」と大学ノートに書いた三行ほどのプロットに、16歳から20歳まで引きこもりだった自分の実体験を交えたものです。2003年にハイバイの旗揚げ作品として初演し、10年以上、再演を続けており、今回で10回目の上演を迎えます。

 

引きこもりだった頃、「リングス」という総合格闘技をテレビでよく見ていたんですが、プロレスラーの前田日明が対戦相手のディック・フライにひどい目に遭わされていたのがどうしても許せず、深夜に近所の公園へ行き、通信販売で買ったサンドバックを木に縛り付けて蹴るということをやってました。プロレスは相手と息を合わせるという、コミュニケーション能力がとても必要な競技なんですが、そのプロレスラーに憧れていた僕は、家に引きこもり、郵便屋さん相手にも挙動不審になってしまうほど臆病だったんです。その理想と現実の開き具合が、自分にとって“悲劇”でもあるし“喜劇”でもあると感じて、当時のことを思い出しながら書きました。

 

あと、岩松了さんの舞台に1ヶ月近く関わったことで、「しゃべり言葉の演劇」を知れたこともきっかけです。それまで僕が大学で教わってきた演劇は、文語体の戯曲で、登場人物の会話にこそ意味があり、そのために俳優は仰々しくてかっこいい台詞を発するというもので、卒業する頃にはそういう演劇に嫌気がさしてまして…。そんなときに出会った岩松さんの舞台は、登場人物の会話ではなく、その様子を黙って見ている人物にスポットを当てている、つまり、メインとなる大きな流れがある横で、そこに関われないでいる人物やその人たちの疎外感を描いている気がして、自分にとって価値のある演劇だと思えたんです。DSC_4953今でも僕は、自分が観客ならば、人生で上手くいかない場面でどういう行動が取れるか、どういう耐え方があるのかを描いた作品に価値があると思うし、観たいと思っています。

 

まあ、当時はそこまで深く考えておらず、岩松さんのような“しゃべり言葉”で台本を書いていいんだという、その自由度に大興奮して、一人でゲラゲラ笑いながら大学ノートに台詞を書き、三日間ほどで仕上げました。興味が赴くまま書きましたから、改めて読み直すと原始人が書いたみたいだと思う(笑)。でも、自分の体験や身近な人たちの現実に起きた出来事を描くという、僕の戯曲のすべてに通じる“原点”になった作品です。

 

――ハイバイでいちばん多く再演されている作品ですよね。

岩井:再演が多いこの公演スタイルは珍しいとよく言われます。でも、僕は新作を次々とつくるより、せっかく面白い作品ができたのだから、まだ観てもらっていない人たちに観てもらえる活動をしたほうが良いと思っています。すごく面白い作品なら、再演するときに「またやってくれるんだ!」とお客さんが知人を連れてきてくれる。僕はそういったことをもっと狙ってやっていかなければと思っています。

この作品は、何度再演しても動員を減らすことなく続けられていて、僕もすごく自信のある作品です。なので、初めてハイバイが東京以外の地域で上演するときも、韓国で上演するときも、選んだのはこの作品でした。東京郊外の50人程度の小さな劇場で初演した作品が、再演を続けることで、今回は全国10都市で上演するなど、どんどん広がりをみせていることが面白いです。

 

――韓国で上演してみていかがでしたか。

岩井:韓国での上演当時、向こうにはまだ「引きこもり」という概念がなかったのですが、お客さんは爆笑してくれましたし、感動してくれました。ところが、ここ1~2年くらいで急激にその問題が出てきているそうです。それで、韓国の方に「もし、自分の息子が家の外に出ず、経済活動もせず、学校にも行かなかったら、どうしますか?」と質問したら、「その情報を家の外に漏らさないようにする」と答えたんです。それって別のいろんな問題が生まれる可能性があって恐ろしいと感じました。日本では、今や、引きこもりのことを「自宅警備」と言い換えて、生き方のひとつと受け入れようとしていたり、会話で「先週、家に引きこもってたんだよね」なんて軽く使われたりするほど、その概念が浸透していってますよね。なんだか改めて、日本って面白い国だなと思うきっかけになりました。

 

――前回の再演で、新しい発見があったそうですね。

撮影:Hideto Maezawa
撮影:Hideto Maezawa

岩井:この作品は、台本をほとんど変えずに、初演に近い状態で再演を続けていたんです。ただ、今年2月に参加したTPAM(国際舞台ミーティング)での上演で、演出方針を変えました。TPAMには多くの海外のお客さんがやってくるのですが、「引きこもり」という概念が日本ほど浸透していない海外の人には、この作品の本来の面白さが伝わりにくいのではないか…と感じたんです。引きこもりの実態を誇張して見せるよりも、まず「引きこもりとはどういう人か」というベースを見せる必要がある。それで演出をシフトチェンジしました。それまでは、「どれだけ(観客を)笑わせることができるか」をいちばんに考えていて、「ここでも笑いが取れる」「あそこでも笑いが取れる」といろいろ詰め込みすぎていたんですが、それを整理してシンプルにしました。その結果、「人は寂しいんだ」という作品の本質的なテーマが浮き彫りになったんです。もちろん、笑えない話になったわけではありません。この作品で何を最低限伝えなければいけないかに立ち戻っただけです。

 

――今までと作品が大きく変わるのですか?

岩井:雰囲気が少し違う程度だと思います。演出を変えたことで、作品に余白ができて、良い意味で、お客さんに考えてもらう時間や、選択してもらう余地が増えました。作品としてもより豊かになったと思います。今まで、演出で作品は変わらないと思っていたんですけど、微妙なニュアンスは変えることができるんですね。普段、台本を書きながら演出をすると、書いたイメージを立ち上げることしか考えていなくて…。それが、演出次第で作品がこんなにも新鮮になるんだと、自分でもびっくりしています。僕は、お客さんには、演劇を観ながら自分のことについて考える時間を持ってほしいと思っているので、僕の目指している方向性の表現に戻すことができたんじゃないかなと思います。だから、今回もこの方向性をベースに作っていこうと思っています。

 

――演出家として、客観的に作品に向き合ったとき、改めて何を伝えたいですか。

DSC_4964岩井:「生きていくことの困難さ」ですね。ただ、これは僕の作品の全部に通じていることで、より多くの人と共有したいから、手を変え、品を変え、いろんな作品に反映させているんですけれど(笑)。僕がお客さんからの反応でいちばん嬉しいのは、「うちにもこういう人がいて」「私もそういう時期があって」と、いきなり自分のことを話し出してくれたときです。作品と自分とを重ね合わせながら僕の作品を観てほしいと思っているからです。『ヒッキー・カンクーントルネード』は、特に僕にとって嬉しい反応が多かった作品です。たぶん、コミュニケーションの難しさ、「自分が他者の中でどう生きていくか」について、問題提起しているからでしょうね。実は、自分で書いたものなのに、すごく長い時間をかけて解読し続けている気がしています。だから何度も再演を重ねているのかもしれません。

 

――同名の小説を出版(※)されていますが、小説を書いたことで異なる見方は生まれましたか。

岩井:小説は書いても書いても一人なので、本当に辛かったです。けれど、登美男が電車で乗客にボコボコにされるシーンとか、舞台で描けなかった部分は思う存分書けました。小説を書いてみて「小説にしかできないこと」をすごく感じることができました。この経験を活かし、稽古のときは、身体性を重視するなど「演劇にしかできないこと」をより意識的にしようと思っています。

※『ヒッキ―・カンクーントルネード』(河出書房新社 2014年刊)

 

――この作品には、「高校演劇」のための台本があるそうですね。

DSC_4965岩井:高校演劇の大会で審査員を務めたことがあるんですが、高校演劇って、時間や人数の制約があるから、好きな台本を選べないんですよね。部員数に合わせなきゃいけないから、面白くなりえないような台本を選ぶしかなかったり、演劇の知識に乏しい先生が台本にとんでもない手の入れ方をしたり…。不幸な状況にあると感じたんです。僕の台本は基本的にほとんど上演許可を出していないんですが、「ダメ」なんて言っている場合じゃないと。それで、90分ある『ヒッキー・カンクーントルネード』を一所懸命削って、上演時間60分の高校演劇用の台本をつくりました。でも印象は通常版とほとんど変わらないんですよ。どうしてなのか僕も不思議なんですが(笑)。あと、高校生という時期に、普通のお芝居をしてほしいという気持ちもあります。主人公は「16歳で引きこもりをはじめて10年近く経ってしまった」という設定なので、演劇を通して、引きこもりを取り巻く家族の立場をほんの少しでも疑似体験してほしいとも思っています。

 

――出演者についてはいかがですか。out_04_2

岩井:今回は、引きこもりの主人公・登美男を田村健太郎が演じます。この役は、今まで僕や元劇団員が演じていたんですが、毎回すごく苦労していました。僕がこの役に思い入れが強すぎるためか、本番中の袖で俳優を捕まえて怒鳴ったり…まあ色々ありました。けど、田村君が入ったことで、とても磐石になりました。反射神経の良さとかクレバーに動ける身体性とかはもちろんですが、彼は恐怖や驚きを自分の内側で起こすことができる俳優なんです。それができる俳優は意外と少なくて…。若いけど素晴らしい俳優です。出張お姉さん役のチャン・リーメイは初演からずっと同じ役をお願いしていますし、平原テツはお母さん役をやり続けてもう10年近くになるかと思います。あと、出張お兄さん役の後藤剛範は、色黒でめちゃマッチョなのに、ビジュアルと正反対の気質を持っている俳優です。彼の中にちっちゃい女の子が入っていて、彼を操作しているんじゃないかなと思うぐらい(笑)。個人的には「いい俳優を発掘したぞ」と思っていて、皆さんにはウハウハしながら観てもらえると思っています。

 

(2015年6月 大阪市内にて)


 

 

劇団チョコレートケーキ 第27回公演
『治天ノ君』

平成28年9月21日(水)・22日(木・祝)

平成28年
9月21日(水)19:00 
9月22日(木・祝)14:00
※整理券配布/開演の60分前。開場/開演の30分前。
※未就学児童のご入場はご遠慮ください。

 2015年に第49回紀伊國屋演劇賞団体賞も受賞した新進気鋭の劇団「チョコレートケーキ」が、代表作『治天ノ君』でアイホール初登場。緻密な調査に基づいて練り出される劇作・古川健のハードな台詞表現に加え、純度の高い人間関係を表出させる日澤雄介の演出により、硬質ながらも生々しい“人間ドラマ”を展開します。
■■■■■
激動の明治・昭和に挟まれた「大正時代」。
そこに君臨していた男の記憶は現代からは既に遠い。
“暗君”であったと語られる悲劇の帝王、大正天皇嘉仁よしひと
しかし、その僅かな足跡は、人間らしい苦悩と喜びの交じり合った生涯が確かにそこにあったことを物語る。
明治天皇の唯一の皇子でありながら、
家族的な愛情に恵まれなかった少年時代。
父との軋轢を乗り越え、自我を確立した皇太子時代。
そして帝王としてあまりに寂しいその引退とその死。
今や語られることのない、
忘れられた天皇のその人生、その愛とは?
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2013年初演。
2014年に第21回読売演劇大賞・選考委員特別賞を受賞。
同賞の優秀男優賞(西尾友樹)、優秀女優賞(松本紀保)、優秀演出家賞(日澤雄介)にも選ばれた話題作が、待望の再演です。 

チケット/
一般前売 3,000円
学生前売 2,000円
当日(一般・学生とも) 3,500円
【日時指定・自由席】
 

劇団チョコレートケーキ『治天ノ君』インタビュー

choco19月21日・22日に提携公演として登場する劇団チョコレートケーキ『治天ノ君』の上演に先駆け、劇作を担当した古川健さんと俳優の西尾友樹さんに作品についてお話しいただきました。


■作品について
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古川健

古川:『治天ノ君』は2013年に下北沢の駅前劇場で初演した作品で、大正天皇・嘉仁(よしひと)を主人公に、皇太子時代の青年期からその死までを描いた一代記です。物語は大きく分けて、嘉仁が青年期に明治天皇との軋轢や孤独を経て、天皇として即位し自我を確立するまでの前半と、病に倒れて皇太子(のちの昭和天皇)を摂政に立てるまでの後半から成っています。“治天の君”とは中世の日本史用語で、院政期に天皇家の実権を握った上皇や法皇の呼び名です。この話には、明治・大正・昭和と三人の天皇が登場するのですが、大正・昭和時代にも、明治天皇が呪縛のように大きな影響力を与えるので、このタイトルを付けました。でも、主人公は大正天皇です。松本紀保さん演じる大正天皇妃―貞明皇后節子(さだこ)がストーリーテラーとなり、昭和時代から明治・大正を振り返るといった構造で、回想として語られます。


 なぜ大正天皇を題材にしたのかというと、近代天皇制以降、今上天皇で4人目ですが、そのなかでも今の我々にとっていちばん印象が薄い存在だと思うからです。僕自身、遠眼鏡事件(国会で勅書を丸め、遠眼鏡にして議員席を見渡したとされる事件)や、ちょっと頭が弱かったのではないかという俗説しか知りませんでした。ところが、政治学者の原武史さんが書かれた『大正天皇』(朝日新聞社刊)を読んで、実はそうではなかったと知り、一般的なイメージとは違う大正天皇を主軸にした物語を書いてみたいと思いました。調べていくと、明治天皇のように神秘性を持っていることを理想の天皇像としたときに、大正天皇はそこから外れるような人間性だったという記録が残っています。例えば、皇太子時代、巡啓として全国各地を旅したときに気軽に国民に話しかけてしまったり、昔の同級生の家を突然訪問したり…。そういうエピソードを拾っていくと、とても魅力的な人間味溢れる人だと感じましたし、そういうことが知られていないのはもったいないと思いました。僕は歴史的な事件や人物を題材に作品を書いていますが、決して史実を忠実に再現したいのではありません。生身の人間らしさがふっと浮かびあがってくるエピソードがあれば積極的に取り入れていますが、基本的には創作ですし、描きたいのはchoco5、今の我々とは違う歴史状況のなかで、人間としてどう生きたか、どんな思いを持ち、どんな苦悩があったのかということです。「天皇」という存在は、戦後にこそ“象徴”となりましたが、戦前は“現人神(あらひとがみ)”だったわけです。そういう存在が、ひとりの人間として、立ったり座ったり、人と話をしたり、物事を感じて、悲しんだり喜んだりするさまを描き、それを演劇というナマの表現を使って、役者さんの肉体を通してお客様に届けたいと思っています。


 もうひとつ、「戦前」という時代の流れを描きたいと思いました。我々は明治・大正・昭和前期を「戦前」と一括りでとらえてしまいがちですが、やっぱりそれぞれの時代の特徴があるわけです。明治天皇と昭和天皇に挟まれた大正天皇を取り上げることで、明治から大正、大正から昭和という時代の流れが描けるのではないかと考えました。また、原敬や大隈重信や牧野伸顕といった実在の政治家を登場させることで、各時代の天皇をとりまく政治家たちが、何を考え、どう時代を動かしていったのかを、わかりやすく板の上にのせたいとも思っています。

 

■「天皇」を演じる
choco3
西尾友樹

西尾:大正天皇を演じるんだという気負いはありません。どちらかというと、泣いて、笑って、怒って、身体を悪くしても天皇という位にしがみつこうとする、ひとりの人間を舞台上に引きずり出すんだという思いのほうが強いです。それは明治天皇と昭和天皇を演じる二人も同じです。もともと僕たちの劇団は、イメージで役を演じないということをすごく大事にしていて、目の前にいる人間と会話をし、シーンを重ねて、事件を重ねて、それが歴史に繋がっていくという創り方をしています。だから、皇室の話をするぞとか、タブーに切り込むぞというのではなく、丁寧に丁寧に人間のドラマにしていきたいです。ただ、お辞儀の仕方や手の組み方などの所作にはこだわっています。初演のときに、演出助手が皇室の作法やロイヤルマナーの本を探してきてくれたのですが、それを参考に毎日繰り返し稽古をして、そして、その所作にどこまで気持ちを載せていくか、思いをどれだけ滲み出していくかにトライしています。ちなみにその本には、周りへの気配りを偏らせないよう、意識の飛ばし方は360度ムラなくというのもあるんですけど…、それはさすがに会得できなかったです(笑)。
 先日、平成天皇の生前退位のニュースがありましたが、この物語でも天皇を「やめる」「やめない」「やめろ」「やめるな」みたいな話が繰り広げられています。天皇って、文化や平和の象徴であって、かつ国の威信の象徴でもありますよね。だから「やめます」といって簡単にやめられるものでもない。物語の後半、嘉仁が髄膜炎という重い病気を患い、肢体不自由になって言語も危うくなり、記憶も飛び飛びになっていきます。それでも天皇という位にこだわる姿を演じてみて、きっと苦しんでいらっしゃったのだろうなと思います。

 

古川:史実として、大正天皇は晩年、皇太子(のちの昭和天皇)を摂政に立て、実権をすべて譲って引退します。ただ、そこに大正天皇の意思は無かったのではないかという学説があり、今回はそれを参考にしました。そうした葛藤を描くことで、彼の「天皇」という存在に対する思いや、運命に対してどう生きたのかという生き様が浮かび上がってくるのではないかと思っています。


西尾:病気の症状が、大正天皇自身に実際どのように出たのかはわかりません。だから、病気のことを調べ、こういう症状が出たら身体の半分はこうなる、歩き方はこうなる、喋り方はこのぐらい不自由になるというのをなるべくリアルにやりました。カタチを細かく決めて、不自由になってもここまでは立っていられる、座っていられる、歌うことができるという状態を、今回も嘘つくことなくやりたいと思っています。


古川:僕は、西尾くんの俳優としていちばん好きなところは再現性とこだわりです。キャスティングは演出の日澤に一任しているのですが、書いているときから大正天皇は彼にやってもらいたいと思っていました。病んでからの身体的な表現も西尾くんならごまかすことなく真正面からやってくれるだろうと思いましたし、逆に、青年期の颯爽としたところとの演じ分けも、彼なら信頼して託せると思いました。


西尾:僕自身は芸の幅が広いわけではないので、素直に相手役とどう繋がっていくのかを考えています。正直、最初に台本を読んだとき、どういう物語なのか掴みあぐねました。皇室の話だから、事件も起きないし、犯人もいない。でも、稽古をしていくと、この人のことを慕っているからこういう会話をするんだとか、怒られているけどこれは愛なんだなとか、そういう関係性がみえてきました。ただ、役者が立ち上げないとみえてこない関係性もあって…、難しい本だと思います。例えば、登場する政治家は本音を言わないから、そういう人間が大正天皇の周りを固めると、本当に天皇のことを慕ってくれているのか疑念が湧くんです。そういうところは古川さんに、政治家も思惑があるから天皇の前でそう発言するんだと教えていただき、繋がるように細かいところは埋めていきました。

 

■再演にむけての見どころ

古川:再演にあたり、改稿しようと読み直したのですが、ここを変えるとあそこも変えなきゃいけないとなってしまって…、結局このバランスを保ったままのほうがいいと判断し、初演からほぼ手を加えずに、あとは演出に委ねています。僕はもともと、長く書いてしまうタイプでして、この作品の初稿もそのまま上演すると3時間半ぐらいあったんです。初演のときは、稽古場でそれを三分の一ほど切ってもらい、2時間ぐらいになりました。カットしたり残したりする作業は僕が作家としてやるよりも、演出家が現場をみながら塩梅をとったほうが絶対によくなるだろうと思い、日澤に任せました。だから上演されたものをみると、僕の作品ではあるんですが、稽古場で演出家と現場の作業を経ていますので、僕一人だけのものとは言い難くもあります(笑)。


西尾:日澤さんの演出は、台本を切ることは情報量を減らすことではない、切った部分は役者が表現してくれという考えなので、初演でもカットした部分は役作りに活かしました。今回も、演出は、古川さんが初演から変えないと言った時点で、それでいくというスタンスをとったので、大きな変更はないです。ただ、初演よりも人間関係の見つめ方をもっともっときつく、煮詰まった作品にしようとは言っています。


古川:大正天皇と皇后節子の夫婦愛もこの物語の柱の一つです。今回も皇后節子を松本紀保さんにお願いしたのですが、本当に、皇室の方にしかみえないような高貴さがあります。そこはぜひとも劇場でみていただきたいです。


西尾:貞明皇后節子について書かれた本に、大正天皇の記述があるんです。例えば結婚式のときのエピソードで、緊張している節子のところに嘉仁が現れて、「すごく退屈だね、これあと何日続くんだろう」と話しかけてきて、それで節子さんの気持ちがすごく楽になったとか。紀保さんと、「こういう関係性、面白いですね」という話をしました。身体の悪い天皇と寄り添っている妻というより、そういう小さなエピソードを拾って拾ってつなぎ合わせて膨らませて、皇族というのではなく、どこにでもいる夫婦の姿をつくれたらと思っています。

 

■劇団について

古川:劇団チョコレートケーキは、俳優の近藤芳正さんのユニット「バンダ・ラ・コンチャン」と合同公演を今年1月に富田林市のすばるホールで行ったのですが、劇団単独での関西公演は今回が初めてです。僕たちは駒澤大学の劇研仲間が母体となって2000年に旗揚げした劇団です。旗揚げ当初は僕も演出の日澤も役者をしていました。ところが座付きの作・演出家がやめてしまい、誰かが書かなくちゃいけない状況になり、仕方なく僕が書くことになりました。最初はオムニバスの現代口語劇や、宮沢賢治をモチーフにしたものを書いていたんですが、もともとそういう状況で書き始めたので、どちらかというと書くのは好きじゃない(笑)。それで、自分の好きな歴史を題材にしたら、この苦しい作業が少しは楽になるんじゃないだろうかと思い、浅間山荘事件をモチーフにした作品を書いたところ、仲間内の評価もよくて、お客様も喜んでくださったので、じゃあこの路線でやらしてもらおうと今の作風になりました。ちなみに一度だけ演出もやったのですが全然うまくいかなくて…。それで見るに見かねた日澤が名乗り出てくれて、2010年ごろから作・演出を分けた今のスタイルに落ち着きました。劇団員は現在、俳優3名、作家、演出家、制作の計6名。良く言えば少数精鋭、悪く言えば零細、非常にミニマムな劇団です。


西尾:僕は大阪府出身で、大学進学を機に東京に出ました。何作品か客演として出させていただいたのち、劇団員になりました。僕たち、今でも諸先輩方から劇団名を変えたらとよく言われるんです。甘ったるい劇団名なのに、ヒトラーとかサラエボ事件を取り扱うなど、作品の内容がかなり尖っているからでしょうね。


古川:劇団名には、誰からも好かれるような劇団でありたいという願いが込められているんです。チョコレートケーキを嫌いな人ってあまりいないですよね。甘いものが苦手な僕も、チョコレートケーキだけはおいしく食べることができるので(笑)。

 

■ツアーのこと

古川:ありがたいことに、『治天ノ君』を再演してほしいという声をいただき、僕たちもどこかのタイミングでやりたいと思っていました。今、トム・プロジェクトという事務所に劇団ごと所属しておりまして、力を貸していただき今回のような大規模なツアーになりました。演劇をやっている以上は、全国各地でいろんなお客様に出会いたいですし、精一杯良質な演劇をつくり、できる限りいろんな場所で公演して演劇という表現を知ってもらうことが、我々が“演劇”にできる貢献だと思っています。今回はその第一歩なので、ものすごく楽しみです。
 ロシア公演は、昨年亡くなられた劇評家の村井健さんがきっかけです。日露演劇会議などを通して日本とロシアの演劇交流に尽力された方で、『熱狂』を観にきてくださって以来、すごく気に入ってくださいまして、向こうでも僕たちの劇団のことを話題にしてくださっていたようです。それで、先方から追悼公演のようなかたちで来てほしいとお声をかけていただきまして。ただ、うちの劇団単独では渡航費等は出せなくて…。それで、トム・プロジェクトさんと相談し、助成金をいただき、日露演劇会議の方にコーディネートをお願いしまして、オムスクも含めロシア3都市公演が実現しました。


西尾:題材が天皇だったので、僕たちもデリケートになっていたんですけど、初演のとき、東京ではすんなりと受け入れられたんです。この物語は、天皇の話というより天皇“家”の話で、家族の物語という側面も多いのですが、そもそも皇室を扱うことについて、他地域では褒められるのか怒られるのか…。実は昔、地方公演で上演中にヤジをとばされた経験があって。ただ、賛同だけでなく、手痛いものも含めて、いろんな反応を楽しみにしていますし、何を言ってくれてもいい、石投げてくれてもいいというぐらい強度のあるものを僕たちも作らないといけないと思っています。その観客の受取り方も含めて演劇という文化なんだといえるような作品にしたいです。


古川:演劇は、TVや映画と比べるといい意味で題材を自由に選べますし、それが小劇場のメリットだと思います。何かに囚われて天皇について書けないのではなく、むしろそのタブーに踏み込むことで、面白いお芝居がつくれたら、それはすごいことなんじゃないかと思っています。やっている側はこわごわですけど(笑)。今回、題材はチャレンジしましたが、話の核にある感情は、親子の愛だったり夫婦の愛だったり、どこにでも転がっているような、ありきたりな、でもとても大事なことであったりします。だから、題材を超えたところで、そういったことへの共感を、それぞれの公演地で―それはロシアでも(笑)―、勝ち取っていけたらと思っています。 


【提携公演】
劇団チョコレートケーキ
第27回公演
『治天ノ君』
作:古川健 演出:日澤雄介

 

平成28年
9月21日(水)19:00
9月22日(木・祝)14:00
公演詳細

上海太郎カンパニー『プリンセスよ永遠に』

平成27年8月28日(金)~30日(日)

平成27年
8月28日(金) 19:00
8月29日(土) 15:00/19:00
8月30日(日) 13:00
※受付開始/開演の60分前。開場/開演の30分前。

 


ダンス、マイムなど、言葉を使わず俳優の身体だけで舞台を展開する上海太郎カンパニーが、4年ぶりにアイホールに登場。動きや身振りだけで演じる“スラップスティック・コメディ”の要素を取り入れたミュージカルを創り上げます。
居酒屋フェアリーテールで日本酒をあおりながら白雪姫は愚痴っていた。いつも騒がしい小人たち、存在感のない王子、そしてプリンセス学院を主席で卒業して以来ずっとこなしてきた、お姫様という仕事・・・。「あ〜、もう飽きた」。彼女の声に振り向いたのは、やけ酒を飲んでいた同じ学院の卒業生ベル、オーロラとシンデレラ。4人はそれぞれが演じる役を交換することになり・・・。
おとぎ話のプリンセスが総出演するドタバタ喜劇に、どうぞご期待ください。


チケット料金/
前売=3,500円 当日=4,000円
学生=2,500円(前売・当日共)
【日時指定・整理券番号付自由席】

伊丹想流私塾マスターコース 
リーディング公演『アマゾン川委員会』
平成27年9月5日(土)

平成27年9月
5日(土)19:00
※受付開始・開場/開演30分前
★終演後に合評会を行います(司会:岩崎正裕)


★公開ゲネプロのお知らせ
 好評につき、予約枚数終了しましたため、急きょ、以下のとおりゲネプロを公開いたします! ぜひご来場ください!
9月5日(土)16:00~
※受付開始・開場/開演15分前
※上演時間/約80分
※合評会はございません。
※写真撮影ならびにビデオ撮影を行います。予めご了承ください。

■料金/
300円


伊丹想流私塾の上級クラスとして10年目を迎えた「マスターコース」では、受講生によって多くの長編戯曲が生み出されています。その作品群から、岩崎正裕と中村賢司がおススメする秀作を、ドラマ・リーディングとして上演。新進劇作家とその戯曲を紹介します。


■会場/
アイホール2階 カルチャールームA

■料金/
500円 【限定40席、要事前予約】

 

■作品紹介/
『アマゾン川委員会』
▽“パーフェクト・ウォーター”を求めて山村にやってきた地上げ屋二人。熊に追われ、よじ登ったのは野球場のボロボロのバックネット。絶体絶命の彼らがとった行動とは…。
▽日本で「占いの館」を営むアフリカ人のバナさん。特殊能力を持つ彼女には極秘の相談が絶えない。外務官僚の依頼に応えるため洞窟で彼女が行った儀式とは…。
▽国連インターンシップを経験した世界各国の若者が集うSNS。彼らのなかで「ある噂」が広まりはじめ…。
点在する情報が絡み合い、やがて世界の終わりを予感させる緊急事態が明るみになっていく。果たして人類はこの危機を回避できるのか?

 

■作家プロフィール/
伊地知克介(いじち・かつゆき)
マスターコース第7期・第8期にて、岩崎正裕・中村賢司に師事。「劇団大阪」で上演された『運転中』が第19回OMS戯曲賞最終候補に残る。高槻市のシニア劇団「恍惚一座」に『カヌー・ラジオ』(2014年)、『アトリエ・ジャマイカ』(2015年)の二作品を書きおろす。『アマゾン川委員会』は、マスターコース第8期在籍中に執筆。第14回AAF戯曲賞最終候補作。


■主催/公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市
文化庁平成27年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

座・高円寺 劇場創造アカデミーワークショップ隊『熱血!!! 生田萬がいく!!』

平成27年11月14日(土)

平成27年
11月14日(土) 14:00~16:30


演劇って、学ばないとできないの? 演劇をやるって、どういうこと? そんな人のためのワークショップです。ユニークな「セリフおぼえ」の技法などなど、座・高円寺 劇場創造アカデミーの授業のエッセンスを体験してください!!!

まだ出会ったことのない自分に出会うために! 自分に可能性を感じている、あなたの参加をお待ちしています。

ワークショップ90分+ディスカッション50分を予定。当日は、運動のできる服装でご参加ください。


会場/カルチャールームA

参加費/無料

定員/先着20名

主催/NPO法人劇場創造アカデミー、座・高円寺

共催/アイホール

協力/いわき芸術文化交流館アリオス、シアターねこ、NPO法人シアターネットワークえひめ、北九州芸術劇場

刈馬演劇設計社 PLAN-09『クラッシュ・ワルツ』

平成27年11月21日(土)~22日(日)

平成27年
11月21日(土)18:00★
11月22日(日)13:00☆

※受付開始/開演の45分前。開場/開演の20分前。
★終演後、アフタートークあり。
☆終演後、アフターシアターあり。(短編リーディングドラマ『シャベル男女』作・演出 刈馬カオス)


名古屋の劇作家・刈馬カオスによる演劇ユニット「刈馬演劇設計社」。緊張感溢れる会話劇を得意とし、愛知を拠点に精力的な活動を展開しています。
今回、第19回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した代表作を持って関西初登場! 初演時の反響の大きさからわずか半年で再演され、愛知で話題となった本作にご期待ください。

とある交差点に供えられた花。一つの不幸な事故を巡り、子どもを亡くした被害者遺族、加害者の若い女、事故現場近くに住む中年夫婦の関係が交わっていき・・・。それぞれの事情と思惑がむき出しになる複雑な人間関係を描きます。


チケット/
一般 前売2,300円 当日2,500円
大学・専門学校生 前売2,000円 当日2,200円
高校生以下 前売1,800円 当日2,000円
【日時指定・自由席】
※大学・専門学校生、高校生以下は要学生証

燐光群『お召し列車』

平成27年12月11日(金)~12月13日(日)

平成27年
12月11日(金) 19:00
12月12日(土) 14:00/19:00
12月13日(日) 14:00

※受付開始/開演の40分前。開場/開演の30分前。


社会性・実験性の高さと豊かな表現力を兼ね備え、斬新で意欲的な演劇公演で評価を得ている燐光群。今回は、『パーマネント・ウェイ』『いとこ同士』など坂手洋二が描く「鉄道劇」最新作を、実力派女優・渡辺美佐子を迎えてお送りします。

新たな東京オリンピックに向け、天皇のために特別運行された「お召し列車」を一般にも公開して、海外からの来場者への“おもてなし”として走らせようという企画が持ち上がる。
ところが、昭和三十年代、ハンセン病患者だけを乗せる専用列車も、皮肉にも同じ名で呼ばれていたのである。この列車を中心に、日本の「戦後」と「昭和の記憶」を凝縮した「旅」の出来事を、演劇的冒険を駆使しダイナミックに描く新作。


チケット/
 前売 一般=3,600円
 U-25(25歳以下)=2,500円
 高校生以下=1,500円
 各券種当日=4,000円
 ペア=6,600円(前売りのみ取扱い)
【全席指定】

※25歳以下、高校生以下は要証明書。
※未就学児童のご入場はご遠慮ください。

土曜日のワークショップ特別編
『初恋ワークショップ~出せなかった手紙を出そう』

平成27年11月28日(土)・12月12日(土)

平成27年
11月28日(土)
12月12日(土)

各回10:00~12:00 ≪全2回≫

※1回のみの単発受講が可能となりました。


振返ってみてください。
自分ではない誰かのために、心をざわつかせた時間があります。
嬉しくなったり、楽しくなったり、走りだしたり、叫んでみたり、寝込んでみたり。 あの不可解きわまりない現象――それは恋。
これは、心ざわつかせたあの人への、届けたかったけれど届かなかった、届けたけれどもう一度届けたい、そんな劇的な言葉をもとに、ちょっと演劇めいたものを作って、いいオトナたちが、エヘヘ、ウフフと盛り上がる。そんなワークショップです。


会場/
アイホール カルチャールームA(2階)

対象/
2回連続受講できる方。

中学生以上

定員/
16名程度(先着順)

受講料/
一括納入:1,000円 

1回のみ:500円
※2回連続受講。
※初回時納入。一旦納入した受講料は返金できません。ご了承ください。

※2階連続受講いただくと、よりワークショップを楽しんでいただけます。


主催/公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市

助成/一般財団法人地域創造

文化庁平成27年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

伊丹想流私塾マスターコース
リーディング公演『夜明け前』
平成27年12月20日(日)

平成27年
12月20日(日)15:00
※受付開始・開場/開演30分前
★終演後に合評会を行います(司会:岩崎正裕)


伊丹想流私塾の上級クラスとして10年目を迎えた「マスターコース」では、受講生によって多くの長編戯曲が生み出されています。その作品群から、岩崎正裕と中村賢司がおススメする秀作を、ドラマ・リーディングとして上演。新進劇作家とその戯曲を紹介します。第2弾はマスターコース第5期で書き上げた小野亮子の『夜明け前』を上演します。


会場/
アイホール2階 カルチャールームA

料金/
500円 【限定40席、要事前予約】

 

作品紹介/
『夜明け前』
もう、どうでもよくなりました。
なんやねん。
もう、めんどくさくなりました。
ほんま、あほみたい。
 
どうしようもなくくたびれて
絶望の中をあるいているくそめんどくさい30過ぎの女、と。
かっこ悪すぎて絶望的な50過ぎのおっさん、の。
夢と現のたわいない色と音と記憶。
 
蝉の声、踏切の音、ある夏の日の話。

 

作家プロフィール/
小野亮子(おの・りょうこ)
30歳で演劇と出会う。音楽とプロレスを愛し、俳優としても活動する。マスターコース第5期にて、岩崎正裕と中村賢司に師事。
2008年、堺市民参加型演劇の戯曲講座「ドラマシアターSAKAI塾」(講師:棚瀬美幸、中村賢司)に参加。講座で書きあげた『父は、ゆく』が、翌年、市民劇団「ドラマシアターSAKAI」の『5人の作家の5つの視点』にて上演される。また、「朗読ユニット西表*iriomote*」に書きおろした短編戯曲が、竪穴式サーカスvol.3「べいべぇ」(2009年)や、西表主催ライブ『その歌を歌おうじゃないか』(2010年)でリーディング上演される。
また、ペーニャ大作(ギタリスト、レコーディング・プロデューサー)と、夏目一朗(松山千春のバンドマスター、アレンジャー)のユニットToy Flowerの1stアルバム『腹ふとい』(2015年7月発売)に収録された『どこまでも』の作詞を担当。


主催/公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市
文化庁平成27年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

オイスターズ第18回公演『この声』

平成28年1月22日(金)~24日(日)

平成28年
1月22日(金) 19:30
1月23日(土) 14:00/19:00
1月24日(日) 12:00/17:00

※受付開始は開演の60分前。開場は開演の30分前。


不条理な会話劇を得意とし、2012年は韓国公演、2013年には全国9都市ツアーを展開するなど、精力的な活動を続けている名古屋の劇団「オイスターズ」。作・演出の平塚直隆は、第16回劇作家協会新人戯曲賞、若手演出家コンクール2011で最優秀賞を受賞し、劇作・演出の双方から注目を集めています。

今回は“嗅覚”によって呼び起こされた記憶を巡る物語や、失われた“味覚”を探す家族劇など、さまざまな感覚をテーマに描く「五感シリーズ」の最新作を上演! どうぞお見逃しなく。


チケット/
前売・当日共
 一般3,000円、U24(24歳以下)1,500円、高校生以下1,000円
はじめて割
 一般1,500円、U24(24歳以下)750円、高校生以下500円
 ※要予約、劇団予約のみ
はじめてペア割
 はじめての方と一緒に来場の方は、ペアで「はじめて割」を適用
 ※要予約、劇団予約のみ

【日時指定・整理番号付自由席】

次世代応援企画 break a leg
夕暮れ社 弱男ユニット『モノ』

平成28年5月28日(土)~29日(日)

平成28年
5月28日(土)15:00/19:00
5月29
日(日)13:00

※受付開始/開演の60分前。開場/開演の30分前。
※当日、会場にて受付順に入場整理番号を配布


次代を担う表現者の発掘・育成を目的とした“次世代応援企画 break a leg”。28年度第一弾は、京都を拠点に独特のグルーブ感で話題の「夕暮れ社 弱男ユニット」が登場。今、ドイツで注目を集めている新進気鋭の劇作家フィリップ・レーレの戯曲を上演します。

アフリカで摘まれた綿の一片が、中国でTシャツとなり、ヨーロッパへ輸出され、ネットで発信されたことを引き金に、現実が大きく変わっていく・・・。“綿の一生の物語”から、世界のモノの流れと各国で今を生きる人々の姿をうつしだした本作。“北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる”がごとく、グローバリゼーションで起こる些細な出来事から予測不能に変化する運命を描きます。

2011年にハンブルグで初演され、ドイツのミュルハイム演劇祭の観客賞を受賞した話題作を、本邦初、フルサイズで上演。作家と同世代である演出家・村上慎太郎と俳優たちがつくり上げる舞台にどうぞご期待ください。

 

★「モノ」特設サイトはこちら


チケット
一般 前売2,800円 当日3,300円
学生 前売2,500円 当日3,000円
※学生は要証明書
【日時指定・全席自由】