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Co.山田うん『季節のない街』

平成29年3月18日(土)~19日(日)

平成29年
3月18日(土)18:00
3月19日(日)15:00
※開場/開演の30分前

 

― 嬉しい 悲しい どうしたらいい
 全てを抱擁する カラフルな黒になる ―

近年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞や、文化庁文化交流使の指名など、ますます活躍の幅を広げている振付家・ダンサーの山田うん。彼女が率いるダンスカンパニー「Co.山田うん」は、10名を超えるダンサーたちの繊細かつダイナミック、躍動的なエネルギー溢れるステージで、高い評価を得ています。
黒澤明監督の映画『どですかでん』の原作ともなった、山本周五郎の同名小説に想を得た本作は、生命力とユーモアあふれる”悲喜劇的ダンス”です。5年ぶりとなる待望の再演にご期待ください。

un-yamada_2017

チケット/
一般 前売3,500円 当日4,000円
学生 前売2,800円 当日3,300円
【日時指定・整理番号付自由席】
※学生券(4歳~大学生)の方は、当日受付にて学生証等をご提示ください
※3歳未満入場不可
※演出の都合により、開演後の途中入場を制限させていただく場合がございます

 

チラシPDF 【オモテ】 / 【ウラ】

ステージタイガー#008

『クロス×シーン』

平成29年11月17日(金)~19日(日)

平成29年
11月17日(金) 19:30
11月18日(土) 14:00/18:00
11月19日(日) 13:00/17:00
※受付開始/開演の45分前。
※開場/開演の30分前。


【あらすじ】
境北口駅。
そこは東西南北に線路が交差する『ダイヤモンドクロッシング』を持つ、「人生の分岐点」と呼ばれる小さな駅。
山から海。田舎から都会。
多くの人がその駅を訪れ、そして去っていく。

そこに併設された郷土資料館で働く保坂優輔は、生まれてから一度も地元を離れた事が無い。
夢を追う者も。諦め、帰っていく者も。ずっと彼らを見守り続けてきた。

そんな保坂の息子が東京へ向かうという。
「一つの場所に縛られた父さんの人生はつまらない」と。
保坂は、思い出す。
かつて仲間と懸命に走った日々。
そして走れなくなった日々。
自分がここに留まり続けた意味を。

人生と、時代と、風景が走りながら交差する、ランニングクロス演劇が誕生!
ステージタイガーは走る! 電車よりも速く! 誰よりも優しく!



チケット【全席指定】/

◆先行WEB予約割
10/1(日)10:00~10/15(日)24:00の間にWEB予約すると1枚3,200円

◆一般発売10/16(月)
一般前売3,500円(当日4,000円)
学生1,000円※当日学生証提示。

※小学生未満のお子様の観劇は予めご相談ください。

 

いいむろなおきマイムカンパニー『butterfly effect -バタフライ エフェクト-』

平成29年7月6日(木)~9日(日)

平成29年
7月6日(木)19:30
7月7日(金)19:30
7月8日(土)15:00/19:00
7月9日(日)13:00/17:00

※受付開始/開演の60分前。開場/開演の30分前。


スタイリッシュで洗練された舞台をテーマとしながらも常に笑いを忘れない作風で評価を得ている、マイム俳優・演出家のいいむろなおき。彼を中心に結成され、国内外で幅広く活躍する注目のマイムカンパニーが、新作を引っさげアイホールに登場!

「小さな一歩が人生や世界を動かす大きな力になるかもしれない」という思いから創作された本作。“北京で蝶が羽 ばたくとニューヨークで嵐が起こる”・・・そんな、些細な出来事が大きな変化をもたらす可能性を、さまざまなイメージを繋いで描きます。


チケット/
一般  前売3,000円 当日3,500円
高校生以下 2,000円(前売当日共通)
※高校生以下チケットはカンパニーのみ取り扱い/当日学生証提示
※未就学児童の入場はご遠慮ください。
【全席自由、整理番号順入場】

世界演劇講座XII
“基礎から学べる”世界演劇思想論IV
‐20世紀演劇の先端から‐

平成29年5月29日(月)~平成29年12月11日(月)

平成29年
5月29日(月)
7月31日(月)
9月11日(月)
11月13日(月)
12月11日(月)
各回19:15~21:00《全5回》

会場/カルチャールームB
対象者/年齢や演劇経験は問いません。
定員/25名
受講料/5,000円(全5回) 
※1回ずつの単発受講もできます:1回1,500円。

演劇評論家・西堂行人が次代を担う演劇人育成のために立ち上げ、今年で開講11年目を迎える世界演劇講座。今年度は、前衛演劇の先駆者であるアントナン・アルトーの演劇論を読み解きながら、20世紀演劇のさまざまな時代の極点を探っていきます。
チェーホフ、ブレヒト、ベケットなどによる実験・前衛的な演劇の試みや、リアリズムを基盤とする戯曲文学を生み出したアメリカ演劇などを取り上げます。

講義の前半は問題提起のレクチャー、後半はビデオなどを見ながら、受講生とのディスカッションを中心に進めていきます。


第1回(5月29日):チェーホフと反演劇

第2回(7月31日):ブレヒト革命と音楽的演劇

第3回(9月11日):アメリカ演劇のドラマトゥルギー

第4回(11月13日):ベケットと極小の演劇

第5回(12月11日):20世紀の演劇革命

※詳細はこちら


主催/世界演劇講座

平成29年度 次世代応援企画break a leg 参加団体インタビュー

今年度の「次世代応援企画break a leg」は、東名阪から三劇団に初登場いただきます。公演に先駆け、アマヤドリの広田淳一さん、無名劇団の島原夏海さんと中條岳青さん、劇団あおきりみかんの鹿目由紀さんに、劇団と作品についてお話いただきました。


 ■次世代応援企画break a legについて

岩崎正裕:本企画は今年で6年目になります。アイホールでは近年、中堅劇団に登場いただくことは多いのですが、新しい世代に使っていただく機会が、時代のせいか縮小傾向にあります。意図的に若手に門戸を開き、出会っていかないと、劇場の今後に繋がらないのではないかと考え、毎年5月~6月の時期にいくつかの日程を設け、全国的に公募し、そこから参加いただくみなさんに面白い成果をあげていただこうというのがこの企画の趣旨でございます。
 今年は、初年度以来となる3団体が、東京・大阪・名古屋からお集まりいただくことになりました。まず、先陣を切っていただくアマヤドリさんは、東京を拠点に活動されています。先端で、スタイリッシュな方向性を貫いたなかで、演劇的成果をあげてらっしゃるのが印象的でした。無名劇団さんは大阪でも注目の集団です。作家の中條岳青さんの台本は非常に文学的成果が高く、僕自身「逸材だ」という感覚を持ちました。そこに演出の島原夏海さんが非常にくっきりとした演出をされています。そして、名古屋からは劇団あおきりみかんさんに登場いただきます。鹿目由紀さんは名古屋で長いキャリアをお持ちで、非常に大人数の登場人物を整理して出すところに演劇の妙があると私は思っております。こういった三劇団さんにアイホールに初登場いただきます。

 

■アマヤドリ『非常の階段』について

―劇団について

広田淳一さん

広田淳一(以下、広田):劇団が去年15周年を迎えたので、年に3作品を上演しました。その第1弾の『ロクな死にかた』という作品で、関西に初めて来ました。劇団を長く続けていて、公演回数も重ねているんですけど、我々の拠点が東京のため、今まで活動が東京だけになっていました。ただ、僕らの中で「東京のお客様=僕らのお客様」となっていることに、もっと危機感を持ったほうがいいとなりまして、数年前から北海道や福岡などでも公演を行い、去年やっと関西でも上演する機会を得ました。今回の『非常の階段』も、仙台、伊丹、豊橋、東京というツアーを行います。
 僕たちの作品の特徴は、具体的な舞台美術を建てこまず、何もない空間や簡素な舞台装置のなかで、役者の身体性と会話のやりとりで舞台空間を立ち上げていくということです。俳優の身体の動きや、ダンスシーン、群舞などを使ってみせることも多いですが、フィジカルだけで言葉が無いというわけではなく、あくまで演劇ですので、物語はしっかりと台詞で会話劇としてつくり、かつ身体によって空間を立ち上げていくということをずっと追求しています。スタッフも含め、20名弱の劇団員がいるため、固定のメンバーで方法論や身体論を共有しつつ、ひとつの作品を練り上げていくというスタイルでやっています。

 

―『非常の階段』について
広田:この作品は、2014年に発表した「悪と自由の三部作」のひとつです。“自由とは何か”を考えたとき、我々は自由社会に生きているとか、自由のほうがいいよねとか、プラスのイメージばかりで語られることが多いですけど、“自由”の片側には“責任”が当然あるわけですし、人と人の“自由”がぶつかり合うところに“悪意”が生まれることもあります。“自由”と“悪”は表裏一体だと捉え、そのテーマで『ぬれぎぬ』『非常の階段』『悪い冗談』という三部作を発表しました。それぞれ「個人の悪」「社会の悪」「国家の悪」を扱っています。個人の悪を扱った『ぬれぎぬ』ではストーカー犯罪を、国家の悪を扱った『悪い冗談』では東京大空襲を題材に劇をつくりました。社会の悪を扱う『非常の階段』では、一時、巷を騒がせたオレオレ詐欺―最近は特殊詐欺という言い方をしますが―を取り上げ、その詐欺結社のメンバーたちが、ごく普通の平和な家庭に居候したことで、いろいろな問題や揉め事が起きたり、それぞれカルチャーショックを受けたりということを、物語の軸にして展開させています。

初演より 撮影:赤坂久美

 この作品のモチーフとして、台詞でも少し引用したのが、太宰治の『斜陽』です。社会を構成する最小単位が家族だと思うのですが、今、現代というこの時代は、長い時間をかけて作り上げられてきた従来の日本的な家制度や家族のかたちがだんだんと変わってきている過渡期にあるんじゃないかと感じています。旧来の家族のイメージ、いわゆる『サザエさん』的な家族の姿が、在りし日の夢のように語られてしまう時代、家族という社会のシステムが失われ始めている時代なのではないかと思っています。太宰治の『斜陽』は、戦後の混乱のなかで日本の華族が滅んでいく姿を描いた小説ですが、それを参考に、日本の“家族”が滅んでいくさまを劇のなかで描きました。ただ、滅んでいく側面だけを描くのではなく、今までとは違ったかたち、例えば友人といった血縁関係とは違う繋がりで“家族”をつくっていこうとする人たちの姿も、詐欺結社の人たちを通じて描いています。
 詐欺は犯罪ですし、善と悪のどちらかと問われたら一般的に考えれば悪なわけですが、果たしてそれだけで終わらせて良いのかということもこの作品で問い直したいです。執筆にあたり取材をしたのですが、そのなかで感じたことがあります。それは、日本の格差、具体的にいうと教育の機会に恵まれなかった人たちが、大人になってどうやって社会でサバイブしていくかといったとき、多くの選択肢があるわけではないということ。そして、例えば親が子供を置いてどっかに遊びに行っちゃったとなったとき、昔は、祖父母が代わりに面倒をみたり手助けしたりという家族の厚みがあったけれど、今は核家族化が進んだことで、ネグレクトの問題と同じように、子供に被害が直接いってしまって餓死するみたいな痛ましい事件が起こる。昔のように、年長者にお見合いしなさいと言われるような、しがらみからは自由になったけど、その代償として、子供や力を持ちえない無力な世代に別のシワ寄せがいってしまっているのではないか。
 もちろん、必ずしも皆がそういう不遇を背負っているわけではないですし、犯罪を擁護するつもりもないですが、もしかしたら、詐欺結社に入った人や、そうしたところに巻き込まれて抜け切れない人のなかには、人との繋がりが希薄で、自分を受け入れてくれるコミュニティがたまたま詐欺結社であって、そこに加わることで初めて自分の居場所を見つけたという人もいるのかもしれないと思いました。単なる愉快犯なのではなく、社会が抱えているもっと大きな問題の一端が、そうした犯罪として表出しているのではないかという気がしています。だから、詐欺をやっている人は悪いよねということだけではなく、自分たちが自由を謳歌できている分、誰かから何を奪ったんだろうということを、作品から問題提起できればいいなと思っております。

 

■無名劇団『無名稿 侵入者』について

―劇団について
島原夏海(以下、島原):私たちは、2002年に追手門学院中・高等学校演劇部の卒業生を中心に結成しました。2009年に精華小劇場で上演した『プラズマ』を最後に、約5年間、劇団活動を休止していました。実はその公演以降、それまで代表・作・演出を務めていた中條が、休団か退団かというぐらい、連絡が取れなくなりまして…。
中條岳青(以下、中條):はい、すみません。後ほどお話しします。

島原夏海さん

島原:(笑)。私の母が劇団制作をやっていて、高校演劇部の顧問だったのですが、休止後に残ったのは母と数人だけだったんです。それで私の個人的な思いもあり、もう一度復活させたいと母に申し出て、2014年にほぼ新メンバーで再始動しました。休団前は男性が多かったんですけど、再開時は20代半ばの女性が中心となりました。それで1年ぐらい経ってから中條が戻ってきまして(笑)。それ以降は中條が脚本を担当し、近代文学を翻案する「無名稿シリーズ」と、劇団員による集団創作で20代の女性のリアルな日常を描くシリーズと、2つの軸をベースに活動しています。両方とも私が演出しています。
 作品の特徴としては、休団前は会話劇が中心でしたが、再始動後は女子が多かったのと、たまたま体が動く人がいたので、それならと、幻想的な群舞を積極的に取り入れています。実は中條の戯曲は、初見だとちょっと意味がわからない表現や言葉が多いんです。それをどう舞台に乗せるかを考えた結果、幻想的で日常的ではないテイストが多くなりました。また、陶芸や書道や華道や曼荼羅といった他の芸術とコラボレーションをした演劇をつくるという独自の取組みも行っています。
  今回上演する「無名稿シリーズ」は、第1作目の『無名稿 あまがさ』が、2015年に應典院舞台芸術祭「space×drama」の優秀劇団に選出いただいたことをきっかけに、それ以降、シアトリカル應典院で上演してきました。今回、初めて、他の劇場でこのシリーズを上演します。実は『無名稿 あまがさ』はアイホールで上演したくて、以前、break a legに応募したんですけど、そのときは落ちまして(笑)。でも私たちは、受かるまでは出し続けるというスタンスなので応募しつづけて、それで今回、このような機会をいただけることになりました。

 

―『無名稿 侵入者』について

中條岳青さん

中條:まず最初に、私は大阪の中学校で教員をしておりまして、不在の5年間は教職に勤しんでおりました。
 「無名稿」は、近代の日本文学を翻案し、現代演劇の視点から再構築して舞台化する作品群のことです。僕が久しぶりに劇団に舞い戻ってきて新作を書くとなったとき、せっかくなので巨匠に胸を借り、文学を舞台化したいと思ったのがきっかけです。やってみると意外と面白く、それ以降シリーズ化しています。“無名”には、「無名劇団」の無名と、多くの読者とその一人でもある私たちの解釈が入っているということを暗に意味しています。なぜ近代文学なのかといいますと、中学教員として若い世代と接していると、文学離れが大きな問題だと感じたからです。図書室で中学生と触れ合うと、生徒たちが手に取る本の棚が限られているんですよね。すごくポップなものや刺激的な現代小説、ライトノベルに興味関心が強くて…。それで、古典や近代文学も面白いということを、どうやって若い世代に伝えるかを考えたとき、新たな楽しみ方として、演劇という手法が合うんじゃないかと思いました。文学の普遍的な価値を、現代的な視線で再構築することで、新しい価値が生まれるのではないかと思い、始めたのがこの「無名稿シリーズ」です。
 2015年に初めて川端康成の『あまがさ』という、A4で1ページに収まるような掌編を80分程度の演劇にしました。第2作目は2016年に横光利一の『機械』をモチーフに、そして、この5月に、大正時代の作家・倉田百三の『出家とその弟子』という、本来、舞台化を想定していないレーゼドラマというジャンルの戯曲を原作とした作品をシアトリカル應典院で上演し、第4作目として6月にbreak a legで梅崎春生の『侵入者』を取り上げます。

『無名稿 機械』より 撮影:飯田拓

島原:『出家とその弟子』が5月、『侵入者』が6月と、約3週間で「無名稿」の新作を連続上演するというハードスケジュールに挑戦します(笑)。
中條:梅崎春生は、第一次戦後派とよばれ『桜島』や『幻化』という作品が有名で、戦時中に坊津の特攻隊基地で海軍に所属しており、第二次世界大戦を直接的に体験した作家のひとりです。ですが、作品を読むと、彼が自分の戦争体験をどのように捉えているのかがあまり見えてこない。基地で働く自分について描いた作品はあるのですが、特攻隊時代に何があってどう感じたとか、基地でどういう経験をしてどう思ったとかが一切語られていない。どこか第三者的に、斜め上から俯瞰していて、まるで他人事のように冷めた視点で自分を客観視しているんです。その感覚が今の私たちに通じるところがあると感じました。
 僕は、私たちの社会や歴史の流れは、常に発展して新しいものに変わっているのではなく、文化や考え方や価値観はループしていると感じています。個人的には、今は新たな「戦前」を迎えているのではないかと…。だからこそ、今、この作品を読み解いていく意味があると思っています。
 また、僕たちのような女性演出家と男性作家の組み合わせは、関西でも稀有な例だとよく言われています。彼女は僕の脚本を「読みにくい」とよく言いますが、僕は、戯曲は文学だと思っていて、ト書きやセリフ一つ一つに対して思い入れを持って書いているし、そこにはそれなりの強度があると信じています。彼女も演出として、身体性や声・コトバに対する強度をもって表現したいと思っている。その二つのぶつかりあいが、僕たちの劇団の面白みだと思っています。
 特に、近代文学に取り組むにあたり、挑戦を恐れないようにしたい。文学は文字で残りますが、演劇は生の芸術で、表現した先から消えてしまう刹那的なものです。その二つの出会いがどういう化学変化を起こすか楽しみですし、僕たちは消えていくことを恐れずに演劇で表現していきたいです。「break a leg」という名前も、挑戦に対して恐れるなというメッセージだと感じていますので、脚本と演出がしのぎを削りながら生み出す新たな演劇作品をご覧いただければと思っています。

 

■あおきりみかん『つぐない』について

―劇団について

鹿目由紀さん

鹿目由紀(以下、鹿目):劇団あおきりみかんは、大学のOB・OG中心で旗揚げした劇団です。「あおきりみかん」は、青いうちに切ったみかんのことです。私がすっぱいものがすごく好きという理由だけでこの名前をつけました。当初は一回限りの記念公演で終わるつもりだったので、軽い気持ちで名前をつけたら、こんなに長く続いてしまってびっくりです。そのあと、劇団として継続していくにあたり、「すっぱい未熟なみかんが熟していく」と後付けをしました。あとで他の方に「ん」で終わる劇団は長続きしていると言われました。「少年王者舘」とか「青年団」とか「燐光群」とか。今年で19年目、公演数も今回で37回目とかなり回数を重ねています。
 旗揚げ当初は一つの場所で展開するワンシチュエーション・コメディをやっていたのですが、「劇王」という劇作家協会東海支部が主催している短編演劇コンクールへの参加を機に、思い切って作風を変えました。このコンクールでは、劇作家個人として出場をし、三人以内の登場人物で20分以内の作品を発表します。それで参加するにあたり劇団内で大きな会議を持ち、劇団員に「ここで自分がやりたいことをやりたい」と伝えました。それまでの作風でもお客様から「次も楽しみに待っています」という声をたくさんいただいていたのですが、私のなかでだんだんマンネリ化したり、まわりに迎合しすぎているのではないかという疑いがふくらんでいて。それで一度、自分のやりたいことを思い切りやりたいと思い上演したところ、2007年の「劇王Ⅴ」で優勝しました。それをきっかけに、もう少し「実験的」なものに、そして「コメディ」から「喜劇」という言い方に変えて上演を続けています。笑えるけど内面では何かがうごめいているとか、表面上は喜劇的だけど実は悲劇的というようなことを表現していきたいと思っています。
 劇団の特徴としては、毎公演、何かにチャレンジしようと努力をしているということでしょうか。チャレンジは他の皆さんもされていると思いますが、私たちのチャレンジは、肉体的負荷として具体的にどう実践していくかということです。例えば、前回公演の『ルート67』では誰かが常に舞台上で走り続けると決めて、本番中は休まずにずっと走り続けるとか、別の公演ではずっとつま先立ちでやるとか、ジャグリングを一カ月で覚えて本番でやるとか。泣きながら毎日ジャグリングを練習する人もいました。人によって得手不得手はありますが、劇団なので、何かひとつでもチャレンジして、その成果を劇にのせていきたいという気持ちがすごくあります。だから劇団員は今回はどんな無茶ぶりがくるかと怯えています(笑)。もちろん私も一緒にやるので、作・演出と俳優がお互いに必死にそのチャレンジをやっている、そんなさまも作品のなかで喜劇的にうつるようにできればと思っています。

 

―『つぐない』について

『僕の居場所』より 撮影 :佐々大助

鹿目:今回も喜劇です。ただ、ずっと作品を作り続けていると、次に何か新しいことをやりたい、脱皮したいという気持ちになるのが常日頃でして。「劇王Ⅴ」から10年近く経つんですが、10年一区切りといいますか、今、私のなかで、モゾモゾした何かが芽生えてきています。もちろん今までのスタンスを大きく変えるつもりはありません。でも、何かいつもと違うことをやってみたいという思いもあります。新作なので、今の自分がいちばん感じていることを舞台にのせたいと思っており、そのなかで最近、気になっている「罪悪感」を描くことにしました。日常は罪悪感で成り立っていると思っています。それもちょっとした罪悪感。例えば、遅刻をしちゃったとか、台本が遅いとか(笑)、人の彼氏を好きになったとか。そこには罪悪が存在していて、その罪悪の解消の仕方で日常が動いている、そういうことが実は往々にしてあると思っています。前回の『ルート67』は、プロテクターをつけてずっと走っていて、少年ジャンプのように「努力・友情・勝利」に振り切った話だったんですけど、今回は内面的なことを女性の主人公に乗せて書いてみたい。そこから自分なりの喜劇が生み出せないかと思っています。もちろん俳優には、走り続けるような負荷ではないですが、もう少しじっとりした、内面的なものが肉体的なものに繋がっていくような負荷はかけていきたいと思っています。
 今回、あおきりみかんは久々の関西公演です。私が福島県の会津若松市出身なので、地元で公演をしたいという思いが強く、近年は福島や仙台など東北での公演を重ねてきました。けれど、関西ではあまりやったことがなくて…。特にアイホールには、大学生のころ、仲間と車に乗りあわせて名古屋から芝居をよく観に行っていました。ぜひともやりたかった憧れの劇場です。今、自分が感じている最新のものをアイホールに持ってきたいと思っています。

(2017年4月、大阪市内にて)

■アマヤドリ ツアー2017『非常の階段』 公演詳細

■無名劇団  第26回公演『無名稿 侵入者』 公演詳細

■劇団あおきりみかん  其の参拾七『つぐない』 詳細間もなく!

サイトウマコトの世界 vol.6
『廃の市 ほろびのまち』

平成29年11月10日(金)~12日(日)

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加作品

平成29年
11月10日(金) 19:00
11月11日(土) 13:00/19:00
11月12日(日) 13:00
※受付開始/開演の60分前。
※開場/開演の30分前。


古い歴史を持った小さな運河の町の緩やかな死を語る福永武彦の小説「廃市」(はいし)。

ニシンの来なくなった漁村の衰退を北原ミレイが歌った「石狩挽歌」。

この二本の作品を縦糸に、50畳の畳の上をダンサーが所狭しと暴れ回る!!!

サイトウマコトの世界vol.5より
サイトウマコトの世界vol.5より

チケット/
一般:前売3,500円、当日4,000円
学生(大学生以下):3,000円
リピーターチケット:2,500円(当日発売)
【日時指定・全席自由】


サイトウマコトの世界vol.5より
サイトウマコトの世界vol.5より

 

次世代応援企画 break a leg
劇団あおきりみかん 其の参拾七
『つぐない』

平成29年6月24日(土)~25日(日)

平成29年
6月24日(土)18:00
6月25
日(日)11:00★/15:00

※受付開始・整理券発行/開演の60分前。開場/開演の30分前。
★終演後アフタートークあり。
 ゲスト:岩崎正裕(アイホールディレクター・劇団太陽族)

『僕の居場所』より 撮影 :佐々大助

“次世代応援企画 break a leg”。29年度の最後を飾るのは、人の残酷な心理や切ない業を笑いとユーモアで描く、劇団あおきりみかん。名古屋小劇場界で最大の動員数を誇る、東海屈指の人気劇団が満を持して関西公演に挑みます。

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わたしは、つぐなうべきなのでしょうか―。
人に対して「悪い」という気持ちが湧かない“わたし”は、これまでずいぶんと人のものを取ってきた。物も、時間も、場所も、男も。ところがある日、「その考え方そのものが害悪だ。悪いと思わなくても、つぐないをしろ、君のこれからの人生にかけて」と言われ…。
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特異なシチュエーションと軽妙な会話から描かれる喜劇の最新作をお楽しみに。


チケット
一般 2,800円(当日3,300円)
学生 1,500円(当日2,000円)
【日時指定・全席自由】
※学生は大学・専門学生を含む。当日要証明。

共催:伊丹市立演劇ホール

次世代応援企画 break a leg
アマヤドリ『非常の階段』

平成29年5月26日(金)~28日(日)

平成29年
5月26日(金)19:30★
5月27
日(土)15:00

5月28日(日)15:00
※受付開始/開演の45分前。開場/開演の30分前。
★特別なおまけ付き公演・・・来場者全員に公演パンフレットをプレゼント。


次代を担う表現者の発掘・育成を目的とした“次世代応援企画 break a leg”。29年度第1弾は、東京の劇団「アマヤドリ」が登場。現代言語から散文詩までを扱う「変幻自在の劇言語」と、クラッピング・群舞などを取り入れた「自由自在の身体性」を活かし、スピード感と熱量溢れる舞台を創り上げます。
従来の「家族」がゆるやかに崩壊していく様と、他人同士が擬似的な“家族”をつくっていこうとする姿から、現代日本が抱える諸問題を多層的に描いた『非常の階段』。2014年に初演され、大きな反響を呼んだ本作を、関西で初上演します。

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ある夏の日、振り込め詐欺集団の一人が何者かにさらわれた。

一時的に身を隠すことを考え、仲間の親戚宅に居候することにした一党。そこには、数年前に妻を亡くし、田舎へ引き帰ることを決めた父親と、それぞれ別の暮らしを余儀なくされる三人の娘たちがいた。
一家は、素性の怪しい詐欺集団の面々を邪魔もの扱いしつつ、奇妙な共同生活をなんとか乗り切ろうとしていく・・・。


チケット
一般 3,000円
学生 1,500円
【日時指定・整理番号付自由席】

共催:伊丹市立演劇ホール

土曜日のワークショップ『お芝居をかじってみよう』

平成29年5月20日(土)~6月10日(土)

平成29年
5月20日(土)
5月27日(土)
6月3日(土)
6月10日(土)

各回10:00~12:00 ≪全4回≫


毎回人気の演劇体験講座!
演出家の上田一軒さんを講師にお迎えし、お芝居のワンシーンを稽古します。今まで演劇をしたことがある人、興味のある人、初めて出会う仲間と一緒に、楽しくお芝居を“かじって”みませんか。


会場/
アイホール カルチャールームA(2階)

対象/
中学生以上

定員/
15名程度(先着順)

受講料/
全回受講:2,000円
※初回時納入。一旦納入した受講料は返金できません。ご了承ください。
1回ずつの単発受講:600円


主催/公益財団法人いたみ文化・スポーツ財団、伊丹市

次世代応援企画 break a leg
無名劇団 第26回公演
『無名稿 侵入者』

平成29年6月10日(土)~11日(日)

平成29年
6月10日(土)14:00/19:00
6月11
日(日)11:00/15:00

※受付開始・整理券発行/開演の45分前。開場/開演の30分前。


“次世代応援企画 break a leg”。29年度第2弾は、関西若手の注目株「無名劇団」が登場。
女性のリアルな日常から文学作品に至るまで、あらゆるモチーフを情熱的かつ幻想的に上演し、近年では應典院舞台芸術祭「space×drama2015」の優秀劇団に選出されるほか、関西若手劇団を対象とした演劇祭「ウイングカップ6」で優秀賞を受賞するなど、話題を集めています。

『無名稿 機械』より 撮影:飯田拓

現代社会を切り取る不条理劇
今回お送りするのは、無名劇団が日本の近代文学を独自の解釈で再構築する「無名稿」シリーズの最新作。自身の戦争体験を色濃く反映させた第一次戦後派作家・梅崎春生の短編を翻案し、現代社会を切り取る不条理劇を立ち上げます。

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更地にぽつりと建った一軒屋。その家主である「私」の下に、さまざまな人物がやってきては、次から次へと侵入してくる。「私」と「私」以外のもの、「私のもの」とそうでないもの。その境界線は徐々に曖昧になっていく―。

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原作/梅崎春生『侵入者』

梅崎春生は、大正時代から昭和時代初期の小説家。東京帝国大学卒業後、東京市教育局教育研究所に雇員として勤務するが、徴兵を受け、鹿児島県で暗号兵として敗戦を迎える。この時の体験がのちの作品に反映されており、第一次戦後派作家と呼ばれた。
掌編『侵入者』は1956(昭和32)年発表。
押し売りにあった男は傍観者に徹し、襲い掛かる「不条理」を観察し記録してゆく。


チケット
一般  2,800円(当日3,000円)
大学生 1,500円(当日1,800円)
高校生以下 500円(前売・当日とも)
【日時指定・全席自由】
※大学生・高校生以下は当日要証明
※未就学児童入場不可。

共催:伊丹市立演劇ホール

平成29年度次世代応援企画break a leg


若手を支援し、アイホール初登場の機会を目指していただく「break a leg」。
本年も強力な三団体が並びます。

アマヤドリは東京を拠点とするユニット。「秩序立てられたカオス」と自ら称するように、昨今のポストドラマな構造とは一線を画するスピード感とリズム感。熱い新しさがある舞台。
無名劇団は中條岳青さんの新作で登場。文学性の高い作品で反響を呼んでいます。関西若手劇団の雄とも云える劇団ですが、今回の作品でブレイクスルーなるか。
劇団あおきりみかんは、名古屋では定着した人気を誇る団体。鹿目由紀さんの戯曲と集団を動かす演出には定評があります。
東名阪、大都市圏3つの劇団が伊丹に集結。乞うご期待です。

アイホールディレクター 岩崎正裕

◆平成29年度参加団体

▲アマヤドリ / ▲無名劇団 / ▲劇団あおきりみかん 

アマヤドリ『非常の階段』

アマヤドリ『非常の階段』

振り込め詐欺結社の一人が何者かにさらわれた。一党は身を隠すため、とある一家と共同生活を送ることになるが・・・。
従来の「家族」がゆるやかに崩壊していく様と、他人同士が擬似的な“家族”をつくっていこうとする姿から、現代日本が抱える諸問題を描く話題作、再演。

作・演出/広田淳一

5月26日(金)19:30
5月27日(土)15:00
5月28日(日)15:00

★チケット発売中!
公演詳細

アマヤドリ[東京]
2001年に「ひょっとこ乱舞」として結成。12年に「アマヤドリ」へと改称。広田淳一によるオリジナル戯曲を中心に、現代口語から散文詩まで扱う「変幻自在の劇言語」と、クラッピングや群舞など音楽・ダンス的な要素も節操なく取り入れた「自由自在の身体性」を両輪として活動。リズムとスピード、論理と情熱、悪意とアイロニー、とか、そういったものを縦横に駆使して、「秩序立てられたカオス」としての舞台表現を追求している。
http://www.amayadori.co.jp/

無名劇団 機械

無名劇団 第26回公演『無名稿 侵入者』

日本の近代文学を独自の解釈で再構築する「無名稿」シリーズ、最新作。
更地にぽつりと建った一軒屋。その家主である「私」の下に、見知らぬ人物が次から次へとやってきて・・・。自身の戦争体験を色濃く反映させた小説家・梅崎春生の短編を翻案した、現代社会を切り取る不条理劇。

作/中條岳青
演出/島原夏海

6月10日(土)14:00/19:00
6月11日(日)11:00/15:00

★チケット発売中!
公演詳細

無名劇団(むめいげきだん)[大阪]
2002年に結成するも途中5年間の休団を経て、14年に新たに女だらけの若手劇団として再始動。女性のリアルな日常から文学翻案作品に至るまで、あらゆるモチーフを女性演出家ならではの視点で、情熱的かつ幻想的に上演している。陶芸・書画・華道といった他芸術とのコラボレーションにも積極的に取り組む。15年に應典院舞台芸術祭space×drama2015優秀劇団を、16年にウイングカップ6優秀賞を受賞。
http://mumeigekidan.net/

劇団あおきりみかん 2016年夏公演『僕の居場所』舞台写真(撮影 佐々大助)

劇団あおきりみかん 其の参拾七『つぐない』

東海屈指の人気を誇る実力派劇団が、満を持して挑む関西公演。
罪の意識を持たず、人のものを惜しみなく奪ってきた“わたし”は、ある日「悪いと思わなくても、つぐないをしろ」と言われ・・・。人の残酷な心理や切ない業を、笑いとユーモアで描く喜劇。

作・演出/鹿目由紀

6月24日(土)18:00
6月25日(日)11:00/15:00

★チケット発売中!
公演詳細

劇団あおきりみかん[名古屋]
1998年、南山大学演劇部OB・OGを中心に旗揚げ。人のココロを溜めて空中に浮かぶ劇場や、お客さんのニーズに合わせて裁判をする「擬似裁判所」など、一見奇抜なシチュエーションから繰り出される、「会話」と「関係」のズレを中心とした喜劇を上演。名古屋小劇場界で最大の動員数を誇る。2011年、名古屋市芸術奨励賞受賞。作・演出の鹿目由紀は、第16回日本劇作家協会新人戯曲賞や若手演出家コンクール優秀賞など多数受賞。
http://www.aokirimikan.net


◆広田淳一(アマヤドリ)×島原夏海&中條岳青(無名劇団)×鹿目由紀(劇団あおきりみかん)インタビュー

アイホール初登場の3劇団が、本企画への意気込みや上演作品について語りました。インタビューページはこちら

 


◆平成30年度「次世代応援企画break a leg」参加団体募集!!

アイホールで上演経験のない若手カンパニーを対象に参加団体を全国的に募集します。東西問わず、たくさんのご応募をお待ちしております。

■応募資格
①演劇・ダンス分野において、オリジナル作品の上演を継続的に実施している、自ら若手と任じている劇
 団/カンパニーであること(公演歴のないプロデュース公演、企画公演は不可)。
②舞台技術及び制作スタッフ、設営・撤去・受付など公演に必要な人員、及び舞台装置や衣裳・道
 具などを自ら用意できること。
③実施期間のスケジュールで上演できること。
④過去にアイホールでの上演経験がある団体は、選考対象外となります。

■参加条件
①公演数は劇場と協議の上、決定する(1作品3ステージ以上の公演が望ましい)。新作・旧作・再演は問い
 ません。
②劇場と調整した上で入場料を設定し、全額、劇団/カンパニーの収入とします。
③公演製作にかかる費用並びに劇場管理人件費に関しては、劇団/カンパニーに負担いただきます。
④ 劇場は、会場(イベントホール)とその付属設備の提供(使用料全額免除)、並びに共通チラシの制作・配布、
 その他チケット販売協力・広報宣伝協力を行います。

■参加団体数
2団体程度

■提供資料
①参加申込書/指定の申込書をダウンロードしてください。 → 【PDF版】 / 【EXCEL版】

②公演企画書+演出プラン/A4サイズ、形式は自由。
③団体概要/A4サイズ、形式は自由。
④映像資料/DVD(必ずファイナライズをして他の機器で再生できることを確認してください)。上演予定
 作品の映像記録がある場合は当該DVDを、無い場合は団体の特色がわかる直近の映像資料(ただしプロ
 モーションビデオは不可。必ず舞台上演の記録物であること)。
⑤補足資料/過去の公演チラシ、舞台写真、上演予定台本(A4、表紙にタイトル・劇団名・作家名を記載)
 など。ただし、上演予定作品以外の戯曲は提出不要。

■実施期間・会場
次のいずれかの日程で実施可能なこと。仕込・リハーサル・本番をあわせて4日間を基本とします。
①2018年(平成30年) 5月24日(木)~27日(日)
②2018年(平成30年) 6月7日(木)~10日(日)
③2018年(平成30年) 6月21日(木)~24日(日)

■応募期間
2017年7月12日(水)~8月13日(日)  22:00必着
※応募書類提出後にヒアリングをさせていただく場合がございます。その際は、こちらからご連絡をいたし
 ますので、本事業担当者と調整のうえ、来館願います。

■選考方法
選定会議で協議の上、アイホールディレクター(岩崎正裕)が決定する。
選考委員/岩崎正裕(アイホールディレクター)、泉寛介(baghdad café 劇作家・演出家)

 break a legに参加して数年が経ちます。まさか自分が選考する側に回ると思いませんでした。この企画は関西外の演劇やダンスを観ることができる嬉しい企画です。関西でやっている僕としては「がんばろうぜ関西」って思いもありますが。
今までとは少し違う選考基準で、僕なりに公正に選ぼうと思っています。あの劇団がまさかアイホールでやるだと?! みたいな空気になればいいなと思っています。

泉寛介(baghdad café 劇作家・演出家)

■発表
2017年9月下旬(予定)
当ウェブサイトにて参加団体を発表。

■留意事項
提出資料は返却いたしません。コピーしたものをご提出ください。

■応募先・お問い合わせ
〒664-0846 兵庫県伊丹市伊丹2丁目4番1号
伊丹市立演劇ホール「次世代応援企画break a leg」係
TEL: 072-782-2000 メール: info@aihall.com
【火曜日休館】


会場・お問い合わせ
AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)
〒664-0846 兵庫県伊丹市伊丹2丁目4番1号
TEL: 072-782-2000 FAX: 072-782-8880
E-Mail: info@aihall.com Twitter: @ai_hall

文化庁ロゴH29平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
企画製作:伊丹市立演劇ホール

土曜日のワークショップ『ストレッチ・エクササイズ』

平成29年4月22日(土)~7月1日(土)

平成29年
4月22日(土)
5月13日(土)
6月17日(土)
7月1日(土)

各回10:00~12:00 ≪全4回≫ 


ゆっくり時間をかけながら、身体の内側の筋肉や関節を丁寧に解きほぐしてゆくエクササイズです。
腰を起点に、背骨から頭、指先への連続したつながりを感じながら、身体の歪みを整えてゆきます。
ふだん慣れ親しんでいるご自分の身体をあらためて、みつめてみませんか。


会場/
アイホール カルチャールームA(2階)

対象/
中学生以上

定員/
15名程度(先着順) 

受講料/
全回受講/2,000円

※初回時納入。一旦納入した受講料は返金できません。ご了承ください。
1回ずつの単発受講:600円 

持ち物/
・動きやすい服装
・靴下(靴は不要ですが、靴下を着用して行います)
・フェイスタオル(寝転ぶ時に腰に敷きます)


 主催/公益財団法人いたみ文化・スポーツ財団、伊丹市

本若
第十弐回本公演
『龍栖に咲く~霧ケ城恋歌~』

平成29年6月30日(金)~7月3日(月)

平成29年
6月30日(金) 19:30
7月1日(土) 13:00/17:30★
7月2日(日) 12:30/17:00★
7月3日(月) 15:30

※★の回はアフターイベントを開催。
※受付開始/開演の45分前。開場/開演の30分前。

 

チケット/
一般:前売3,200円(当日3,500円)
U-22(22歳以下):前売・当日共2,800円(要証明書)
小学生以下:前売・当日共1,500円
【日時指定・全席自由】

★期間限定!早期購入特典あり★
早割りチケット:2,500円(代金振込)
※早割取扱期間:5月1日(月)~20日(土)23:59まで。

土曜日のワークショップ『さらに体幹を鍛えてダンサーと一緒に腹筋をわりましょう!』

平成29年9月9日(土)〜11月4日(土)

平成29年
9月9日(土)
9月30日(土)

10月14日(土)
11月4日(土)

各回10:00~12:00 ≪全4回≫


毎回人気の、現役ダンサーによる筋力トレーニング講座。
ヨガやストレッチボールで意識をおなかに集中させ、全身を動かすことで、カラダの内側にある“体幹”を鍛えます。ダンスの動きも取り入れながら、みんなで楽しく、スッキリとした“われた”おなかを目指しましょう!


会場/
アイホール カルチャールームA(2階)

対象/
高校生以上

定員/
15名程度(先着順)

受講料/
一括納入:2,000円
※初回時納入。一旦納入した受講料は返金できません。ご了承ください。
1回ずつの単発受講:600円

動きやすい服装でお越しください。


主催/公益財団法人いたみ文化・スポーツ財団、伊丹市

平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

平成29年度公共ホール演劇ネットワーク事業『とおのもののけやしき』
岩崎正裕×出演者インタビュー


 

 

 

アイホールでは、2017年7月22日(土)~23日(日)に平成29年度公共ホール演劇ネットワーク事業『とおのもののけやしき』を上演します。

2年ぶりの再演に先駆け、作・演出のアイホールディレクター・岩崎正裕と出演者のみなさんに、本作のみどころや公演への意気込みを聞きました。


■2年ぶりの再演

岩崎正裕

岩崎:「子どものための怪談話をつくろう」というところから、2年前にアイホールの自主製作事業として『とおのもののけやしき』を創りました。初演は伊丹のみでしたが、1ヵ所だけの上演で終わらせるのは惜しいし、せっかくアイホールで製作した作品なのだから、全国へ回したいということになり、この度、再演が実現しました。

宮川:再演できるのはやっぱりうれしいですよね。小劇場の公演は1回きりで終わることが多いので。2年越しで、また同じメンバーで、しかも7都市で上演できるというのは・・・本当に役者冥利に尽きるなと思います。

三田村:僕はこの作品で初めて子ども向けの作品をやらせていただいて、ワークショップも参加させていただいて、子どもがより好きになりました。

藤本:2年経ってもこうやってまだ子ども役をできるってなると、40代、50代になってもこの役をまたやりたいなって気持ちになりますね。

藤本陽子

三田村:基本、僕は芝居も日常もダルい感じなんですけど(笑)、この作品では子どもの軽快さを意識してやりたいなぁと思います。

岩崎:ワークショップでもそうだったけど、子どもたちはずっと動き回っているよね。あれは新鮮だね。

宮川:“もののけ”担当としましては、前回もいろんなキャラクターを試したりしてたんですけど、今回もまたちょっとずつ「こんな感じもできるな」っていうのを試していけたらなって思っています。

 

■キャスティングについて

岩崎:この作品には、いくつかの“もののけ”が実体化して出てくるんですけれども、「役をいくつもとっかえひっかえできる俳優は、やっぱり宮川サキじゃないか」ということで、最初に声をかけたことを思い出しますね。

宮川:一人芝居でいろんなキャラクターを演じてきましたけど、もののけは初めてでしたね。見ていただいたらわかると思いますが、早替えが本当に大変で・・・顔の色も変えるわ、十二単(じゅうにひとえ)で舞台裏を匍匐前進するわ(笑)。舞台の仕掛けもたくさんありますから、スタッフさんも含め、全てにおいて大変な公演です。

2015年8月初演/撮影:井上大志

岩崎:兄妹のキャスティングで「妹タイプの俳優は誰だ?」となった時に、アイホールスタッフ陣の強い勧めで残ったのが、藤本さんだったんです。

藤本:うれしいです! 私個人のことを話すと、講師として子どもたちと関わったり、舞台で共演したり、わりと小さい子どもたちに関わる仕事が多いので、自分が今こうして子ども役として舞台に立っていることに縁を感じています。

岩崎:逆に言うと子どもが身近にいるから、藤本さんは生態観察がよくできているということだよね。兄のキャスティングについては、この作品はそもそも怪談話というところから話が進んでいるから陽気な男には出てほしくないって思ってたんだよね。「関西一陰気な役者は誰か」ということで、三田村さんやなという話になり、出演してもらうことになったんです。

三田村啓示

三田村:陰湿とか卑屈とかよく言われるんです・・・(笑)。

岩崎:蔵の中にふっと立っている時、寂しげなんだよね。そういうのって作って出せるものではないので、おもしろいって感じるんだな。

宮川:子どもの哀愁を背中にしょっている感じですよね(笑)。

岩崎:藤本さんが明るい妹で、三田村さんが陰のあるお兄ちゃん。このコントラストが際立ったので、上手いキャスティングができたなと思っています。

 

■子どもたちの反応

岩崎:初演の時に子どもたちの反応がいろいろあったと思うけど、どうだった?

三田村:正直やっている最中は必死だったんですけど、子どものリアクションを感じながら演じるのはとてもいい経験でしたね。声に出してちゃんとリアクションしてくれるっていうのは嬉しいですね。

藤本:素直です。見たまま、聞いたままを客席で返してくれる。

岩崎:客席でしゃべっているご家族が結構多かったように僕は記憶しているけど。どんなことを言ってたんだろう?

宮川:主人公たちが考えていることを先に言おうとしていた時もありましたし、ドリフターズの「志村、うしろうしろ!」という感じで「あ! あそこにいるいる!」って声がポンっと聞こえてきましたね。もののけの中では子どもたちの一番人気は鬼でしたね。ビジュアルもすごいし、稽古の時は怖がられるだろうなと思っていたけど・・・。本番入ってからの新しい発見でした。

岩崎:子どもたちは気持ち悪いものが好きだからね。

藤本:ああいうイタズラっ子なキャラクターがクラスに一人はいるんじゃないですか?

宮川:けど、登場のシーンはみんな「ひっ!」ってなってましたね。

岩崎:初演時、お芝居が終わってロビーに出てきてから、お母さんが「どう、怖かった?」と子どもに聞くと「全然怖くなかった!」と答える場面を度々見かけましたけど、そういうのがわれわれとしてはとても嬉しいんです。本気で怖がると子どもは二度と劇場には来てくれないので。怖くなかったと言いながら、内心は「ちょっと怖いところもあったな」と思っている嘘つきモードの子どもがかわいくてしょうがないわけです。再演でまた何か子どもたちの新しい反応に出会えたらなと思っていますね。

 

■巡演について

宮川サキ

岩崎:今回は伊丹を皮切りに、鳥取、三重、北九州、長崎、福島、埼玉を巡演することになりますが、みんなはそれぞれの地域に行ったことはあるのかな。

宮川:私と藤本さんは二人芝居で三重と長崎に行ったことがあります。

岩崎:三重の人たちも待ち望んでいるわけだね。

藤本:もうファミリーみたいな感じです。

宮川:久しぶりなので楽しみですね。この間、一人芝居をしに初めて福岡へ行かせてもらったんですが、その時も「北九州での公演楽しみにしています」ってお客さんに言っていただいたので、また違う形で舞台を見てもらえたらと思っています。

三田村:僕も、劇団太陽族のお芝居で岩崎さんと一緒に三重と北九州に行ったことがあります。その他の地域は初めての場所ばかりなので、めっちゃ楽しみです。

岩崎:僕は以前、鳥取で市民参加の舞台に関わらせてもらいました。温泉宿に一ヵ月逗留させていただきました。目の前に湖があったんですが、実はそこが昨年の鳥取県中部地震の震源地だったんですよ。鳥取公演の開催場所である倉吉未来中心はエントランスの壁や天井も落ちて、当時は「夏までにどうなるかわかりません」という返答をいただいていたんです。けれど、奇跡的に修繕作業も終わり、幕を上げていただけることになりました。

  最後に忘れてはならないのが福島と埼玉です。ここにいるメンバーは全員福島に行くのは初めてですよね。長崎が終わってから福島に行くんだけど、土地柄も南と北で違うと思うからお客さんの反応の差が楽しみだね。

藤本:こんな小さい日本なのに、まだ知らない場所がたくさんあって、そこで演劇できるっていうのがすごくうれしいですね。あと、埼玉は東京の人がいちばん観に来やすい場所でもあるので、来てくれるといいなぁと思っています。

宮川:今回、東京のお客さんが何人か伊丹公演にも観に来てくださるみたいです。今や格安の飛行機もあるので、近場で見るも良し、ツアー一発目の伊丹で見るも良しだと思います。

 

■再演に向けて

岩崎:今回のキーワードは「前回をなぞらないで何か新しいことはできないか」ということです。宮川さんは初演の時もいろんなキャラクターでもののけを演じ分けることを試したんだけれど、それはまだ続いてるってことだよね。新たな方法を模索することを止めずに上演に持っていけるのがいちばんいいと思う。

藤本:2年前の時に感じたあの新鮮さはまた感じたいと思っているので、再演ではあるけれども、新作をつくっているような気持ちです。予定調和にならないように、慣れないようにしたいです。兄妹との関係とか、もののけたちとの言葉のやりとりは台本として書かれているものではあるけれど、それが今初めて進んでいるかのように、子どもたちに絵本を読み聞かせるように、やり続けられたらいいなと思っています。

岩崎:今回の再演では舞台の仕掛けが増え、ラストシーンが変わりました。前回は、舞台が盛り上がって最後はしんみりして終わる。そのあと、カーテンコールで役者が出てきてお辞儀するだけっていうのは、「子どもと大人のための演劇」としてちょっと寂しかったので、今回は俳優が歌っちゃいます。

藤本:夏休みが終わったあとの未来に続くような曲ですね。作曲家の橋本剛さんがすごく素晴らしい曲を提供してくださって、難しいけど練習し甲斐があります。

岩崎:練習が終わった後に「こんな歌い方もしたらおもしろいですね」と藤本さんが橋本剛さんにプレゼンをしていて、僕は稽古でそういう俳優を見たのは初めてだったので感動しました。「こんな歌い方で大丈夫ですかね」とかではなく、「子どもっぽく歌ったり、お母さんっぽく歌ったりできるんですよ」みたいなことを言っているところが藤本さんの“歌好き感”を醸し出していたよね。

藤本:いろいろな歌い方を試してみたいと思える、伸び代のある曲だなと思いました。『とおのもののけやしき』にぴったりの曲です。

岩崎:舞台と客席の距離もそれぞれのツアー先によって変わるから、目線なども含め、芝居の変化もいろいろ出てきそうですね。

 

人形劇団クラルテ
第116回公演
『ハムレット』

平成29年9月29日(金)~10月1日(日)

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加

平成29年
9月29日(金) 19:00
9月30日(土) 15:00
10月1日(日) 14:00
※受付開始/開演の60分前。
※開場/開演の30分前。

チケット/
大人:3,500円
U-25(25歳以下):2,500円
O-65(65歳以上):3,000円
【全席指定】
※人形劇団クラルテともの会2割引。
※団体(10名様以上)1割引。
※未就学児の入場はご遠慮下さい。
※各種割引の併用はございません。