ドイツ語圏の劇作家たちは、自分たちが生きる今の社会を鋭く切り取った作品を次々と発表しています。 彼らの社会は、異なる人種と文化があふれかえる、まさに多文化共生社会。 同じ時代を生きる日本の若い演劇人にとって、彼らの作品をリアルタイムに受け止め、自身の作品として表現することは、新しい視点を見つけるきっかけとなるはずです。
ドイツ語とドイツ文化の普及を活動目的としてかかげるドイツ文化センターでは、上述のような機会を創り出すことで、ドイツ文化に対するより多くの興味と理解を促したいと考えています。 その取り組みの一つとして2012年より演劇プロジェクト「VISIONEN」として、定期的にドイツ語戯曲のリーディング公演を行っています。
6回目となる今回のVISIONENでは、2011年にハンブルクで初演され、翌年にはミュールハイム演劇祭の観客賞を受賞するなど、各メディアでも話題となったフィリップ・レーレの最新喜劇『モノ』を取り上げます。 リーディング公演意外にも、ドイツの社会事情や演劇に詳しい大学教員をはじめ、『モノ』の作者であるフィリップ・レーレ氏を迎えて『モノ』を読む会(全4回)や演劇ワークショップ(1回)を開催して、作品が生まれた背景やドイツの最新演劇シーンについて語ってもらいます。
ワークショップの進行役には、様々な時代のドイツ戯曲に取り組み、自身でワークショップも主催している清流劇場の田中孝弥氏を迎え、レーレ作品のおもしろさを読み解きます。
定員/ | 20名(各回) |
参加費/ | 無料 |
対象/ | ドイツ演劇・文学に興味のある方。 |
応募資格/ | 年齢・性別・国籍不問。ただし、日本語が話せる方。 |
応募方法/ | 下記の内容を添えてメールにてお申し込みください。 1.お名前・所属、2.年齢、3.連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)、4.簡単な略歴と応募動機 |
応募締切/ | 5月14日(木)必着 |
参加者へのお願い | 《『モノ』を読む》は、毎回異なる専門性を持つ講師を囲んで、作品について参加者各人の感想や解釈を話し合う会です。講師の話を一方的に聴く会ではありません。参加者には使用テキストをお送りしますので、事前に読了し、自分なりの解釈を考えてきてください。 《フィリップ・レーレによる一日演劇ワークショップ》に参加される方も、上記同様の準備をして参加されることをお勧めします。 |
申込先/ | 大阪ドイツ文化センター 文化部(西村) miyuki.nishimura@osaka.goethe.org 清流劇場 info@seiryu-theater.jp |
ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズについて
ドイツ連邦共和国の文化機関であるドイツ文化センターでは、日独演劇人の新たな交流のプラットフォームの形成を目指して、 独自のリーディング公演シリーズ「VISIONEN」(英語の「ビジョン」と同様、視野、先見性、将来性などを意味するドイツ語)を立ち上げました。 この趣旨に賛同してくださる関西の若手演出家や劇団の参加を得て、定期的に『現代ドイツ戯曲30選』の中から選んだ作品、あるいはリアルタイムで翻訳の進む作品を取り上げて、リーディング公演の形で紹介していきます。『モノ』(原題:Das Ding)
この世に偶然の産物なんてない。世界中で起こるすべての事象は、それぞれに関連しているし(これをグローバリゼーションと呼ぶ人もいる)、つながっている。フィリップ・レーレの「モノ」がそれを証明してくれる。