演劇に突然変異なしである。どんな新しいスタイルが生れようと、それは以前あるものへのカウンターか、リスペクトから始まる。
「達人」への「敬う心」が本企画を招き寄せた。
北村想作品の演出に定評のある空ノ驛舎が二人の個性派女優と挑む『ドグラ・マグラ』の世界は、超難解とはならず、劇的面白さに満ちているに違いない。
辛辣な批評眼で知られる竹内銃一郎氏が認めるA級MissingLink。今回の書きおろしは土橋淳志と竹内氏の長い親交から実現した。
劇場主導の企画によくある無理矢理な出会いでなく、出会うべくして出会った人たちが一本の芝居を立ち上げる。この自然の流れにこそ、演劇の現在がある。ここに集う演劇人たちが同時代人であることを喜びたい。(アイホールディレクター 岩崎正裕)