混迷を深める日中関係と、危機度を増す家族関係の<これから>を前向きに描く、竹内銃一郎の最新作。
『Moon guitar』は、劇作家・竹内銃一郎が「A級MissingLink」のために書き下ろした新作。中国の古い楽器「月琴」を介して親交を深めていく男二人の“友情物語”を軸に、地縁・血縁・国籍といった絶ちがたい関係から生じる人間関係のねじれを、荒唐無稽とも思えるシチュエーションのなかで、ブラック・ユーモアを交えながら精妙に描いた傑作です。
竹内銃一郎は、『あの大鴉、さえも』で第25回岸田國士戯曲賞(1981年)を受賞。日常に潜む不可視な悪意や欲望や虚無感を、乾いた笑いと知的なスタイルで描く作風は、80年代の演劇界のなかで硬派な劇作家として注目を集めました。近年では、教鞭をとった近畿大学の学生たちと結成した劇団「DRY BONES」の活動でも知られています。
本作は作者が関西に居を移してからの第1作目。A級MissingLinkとしては、現代演劇レトロスペクティヴ『悲惨な戦争』(2012年)に続く、二度目の竹内戯曲への挑戦です。演出は、明晰で緻密な演出と作者が認める土橋淳志。異なる世代の劇作家と中堅劇団がタッグを組み、<これからのわたしたち>の在りようを前向きに探ります。
【日時】2014年10月23日(木)19:30/24日(金) 19:30 ★1/25日(土)15:00/19:00★2/26日(日)15:00
★終演後、アフタートークを行います。【ゲスト】★1:空ノ驛舎(空の驛舎)、★2:竹内銃一郎(劇作家)
※受付・整理券発行は開演の40分前。開場は開演の30分前。
※未就学児童のご入場はご遠慮ください。
【会場】AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)兵庫県伊丹市伊丹2-4-1 TEL:072-082-2000
【料金】前売=2,500円 当日=2,800円 学生=1,000円(前売・当日共・要学生証) (日時指定、全席自由)
【チケット取扱】
◯A級MissingLink
WEB:http://www.aqml.jp
TEL:080-4249-9902[おざき](留守番電話の場合は、お名前・ご来場日時・人数・ご連絡先をお知らせください。)
MAIL:ticket@aqml.jp
(※件名を「ムーンギター予約」として、お名前・ご来場日時・人数・ご連絡先を明記ください。ticket@aqml.jpからの返信をもって予約完了とします。予め受信拒否設定解除をお願いします。)
◯AI・HALL TEL:072-782-2000(火曜休館)
【スタッフ】
舞台監督:今井康平(CQ) 舞台美術:西田聖 照明:海老澤美幸 音響:奥村朋代(GEKKEN staff room) メイク:KAORI FUKUMOTO、
宣伝美術:清水俊洋 映像撮影:竹崎博人(flat box) 制作:尾崎雅久(尾崎商店)・A級MissingLink 制作協力:溝端理恵子(茶ばしら、)
助成:芸術文化振興基金 提携:アイホール 主催:A級MissingLink
【お問い合わせ】
◯A級MissingLink TEL:080-4249-9902(おざき) MAIL:info@aqml.jp
◯アイホール TEL:072-782-2000
ギター職人・タクミの店に、マオが楽器の修理依頼にやってくる。月琴(=moon guitar)という中国の古い楽器らしい。マオは中国残留孤児二世で、闇社会とつながっているのではと噂されている人物。最初はつれなく応対するタクミだったが、月琴に興味を惹かれ、その修理を引き受ける。物語はここから始まる。
「まだ見ぬうちからワクワクじゃ」
A級MissingLinkへの書き下ろし。ひそかに抱いていたわたしの希望が叶って、とても嬉しい。
A級MissingLinkの公演はこれまで何度か拝見しているが、一度もがっかりさせられたことがない。
わたしにとってこれは実に稀有なことなのだ。だから、今回の公演を早く早くと心待ちにしている、一観客としても。あ、ところで土橋くん。『狩人の夜』見た? 凄いんだ、これが。今回の作品とは直接の関係はないのだけど。必見!(竹内 銃一郎)
「こいつは責任重大だ」
「A級MissingLinkに新作を書き下ろすよ」。竹内さんからこの言葉をいただいたのが2年前、AI・HALL自主企画「現代演劇レトロスペクティヴ」で上演した『悲惨な戦争』の打ち上げの席でのことだったのですが、しかし、まさか本当に実現してしまうなんて。こいつは責任重大ですよ。
何故なら竹内さんほど過去を振り返らず、今面白いものを作ることに貪欲な人を知らないからです。ブログにもこう書いてあります。「昔から今に至るまでずっと、わたしの自作の中では、いちばん新しい作品が代表作だと思っている」。つまり、そういうわけです。そういえばこの戯曲のプロットも「ヴェンダースは初期の作品が凄いんだよ」的な雑談から出発したような気がします。それで何本か借りてきて見直してみましたが、確かに漲ってますね、ただならぬ何かが。
ちなみに『狩人の夜』はまだ見てません。でも、さっきAmazonで注文しました。だいたい、いつもこんな感じです。(土橋 淳志)