(チラシ画提供:青木陵子)

アイホールダンスコレクションvol.66
山下残『庭みたいなもの』

独自の方法論と構造をもった作品を発表する振付家、山下残。
最新作が、アイホール・STスポット・山口情報芸術センターの3館共同プロデュースによって実現。
舞台美術のカミイケタクヤの拠点である高松で劇場空間をシュミレーションし、それを各地へ運びます。
伊丹 ― 横浜 ― 山口 ― 高松。
この4都市を移動しながら創作された、思索の森へ飛び込む冒険的なパフォーマンス。
身体表現がもたらす「からだとことば」の出会い、ユーモラスで新たなコミュニケーションのかたち。


●公演日時
2011年9月9日(金) 19:30
9月8日(木)15:00
プレビュー&トーク[伊丹市民限定]
伊丹市民の方をご招待いたします。
詳細はアイホールまでお問い合わせ下さい。
10日(土) 15:00/19:30
11日(日) 15:00
 
○開演1時間前より受付開始。
 入場整理券を発行します。
○開場は開演の30分前。
○未就学児童の入場は遠慮ください。

●チケット
一般:前売3,000円 当日3,300円
学生・ユース(25歳以下)・シニア(60歳以上):2,000円 当日2,300円
[日時指定・全席自由]

●チケット取扱
チケットぴあ Tel.0570-02-9999[Pコード:412-956]
http://t.pia.jp/
アイホール 窓口販売 / 電話予約 / メール予約
Tel.072-782-2000 / info@aihall.com
JCDNダンスリザーブ http://dance.jcdn.org/
(オンラインチケット予約)

●お問い合わせ
アイホール Tel.072-782-2000

● creation members
振付・演出: 山下残
出演: 黒田政秀、小坂浩之、酒井和哉、末森英実子(おかっぱ企画)、立蔵葉子(青年団)、富松悠、増田美佳
舞台美術: カミイケタクヤ
照明: 三浦あさ子
音響: 宮田充規
システムデザイン: 濱哲史(YCAM InterLab)
舞台監督: 浜村修司
チラシ画提供: 青木陵子
宣伝美術: かなもりゆうこ

●Profile
山下 残(やました・ざん)
1970年大阪府生まれ。90年代中頃より振付家・演出家として実験的・野心的な舞台作品の発表を続ける。 主な作品に、来場者に100ページの本を配り、観客がページをめくりながら本と舞台を交互に見る『そこに書いてある』、 ダンサーの動きを言葉にして声にする『透明人間』、 スクリーンに映写される呼吸の記号と俳句のテキストを身体とあわせて見る『せきをしてもひとり』、 揺れる舞台装置の上で踊る『船乗りたち』、動物が演劇をしているようにも見えるダンス作品『動物の演劇』、 観客席の頭上に水面の映像が映るモニター15台を吊り下げた『大洪水』など。
http://www.zanyamashita.com/

★山下残インタビューはこちらから! 【インタビュー】
  カミイケタクヤ/舞台美術
香川県在住。美術家。
舞台大道具(舞台美術)を職として、その舞台製作技術に独自の技術と感性を加え、 年月を重ねた味や風格を持つものや、自然が最も美しいとして、人を揺さぶれる作品を作る事を試みている。 空間作品と空間を構成する個々のものとしての平面と立体を製作。
経歴
高松工芸高校(漆芸科)卒業
1999〜 舞台美術に携る。
2010/9 高松市美術館 瀬戸内国際芸術祭2010連携
「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.01」出展
■出演者プロフィール 黒田 政秀(くろだ・まさひで)
1982年生まれ。2006年から出演や舞台美術家として活動。 近年の出演作に、teuto『ソーグー』(2009年)、dots『カカメ』(2010年)『手紙/断章/往復させる、折りたたむ』(2011年)、 辻企画『愛―在りか―』(2010年)、M☆3『こいのいたみ』(2011年)など。

小坂 浩之(こざか・ひろゆき)
1976年、石川県生まれ。165cm・60kg、O型。大学在学中に深津プロデュース公演を経て1999年「桃園会」に入団。 以降2009年の退団まで、劇団本公演や外部公演に出演。退団後は、フリーとして活動。 近年の出演作にdracom『ハカラズモ』(2008年)、『事件母(JIKEN-BO)』(2010年)、 極東退屈道場+水の会『家、世の果ての・・・・・・』(2010年)がある。KDC平部員。

酒井 和哉(さかい・かずや)
福島県出身。極端な僻地で10代を過ごす。早稲田大学在学中より、心理学を専攻する傍ら小劇場を中心に活動。 風琴工房、青年団を経て現在フリー。近年は矢内原美邦、演劇企画集団THE・ガジラ、遊園地再生事業団ラボ、 岡崎藝術座、東京デスロック、青年団リンクRoMT、キコ qui-co.、森新太郎、船岩祐太、 ロバート・A・アッカーマンの作品や、井手茂太振付の演劇作品(新国立劇場)などに出演。 『東京人間喜劇』(深田晃司監督/ローマ国際映画祭2009正式招待作品)など映像でも活躍。

末森 英実子(すえもり・えみこ)
1985年、横浜生まれ。祖父母に育てられ、ときどき父親と出かける。大学時代、演劇を中心に学ぶ。 卒業目前に、遅れて来た反抗期を迎え、駅前等でゲリラパフォーマンスを敢行。 以降、パフォーマンス活動と並行して役者を続けるが、突然、台詞が言えなくなる。 その日をきっかけに、身体について考え始める。現在は「おかっぱ企画」として作品を発表するとともに、 その瞬間の自己と向き合いながら日々を過ごしている。

立蔵 葉子(たちくら・ようこ)
1983年生まれ。俳優。2005年より青年団所属。主な出演作品は青年団では『ソウル市民』、 子ども参加型演劇『サンタクロース会議』、『マッチ売りの少女たち』。五反田団『ふたりいる景色』、 『さようなら僕の小さな名声』、『生きてるものはいないのか』、toi『あゆみ』、 『The Long Christmas Dinner〜華麗なる招待〜』など、青年団以外のカンパニーにも出演。 『五反田怪団』『新年工場見学会』、playworks『文(かきことば)』といわゆる演劇でないものにも挑戦するが、 ダンスは多分初挑戦。

富松 悠(とまつ・はるか)
1984年、和歌山県生まれ。京都造形芸術大学映像舞台芸術学科舞台芸術コース卒業。 卒業後、伊藤キム主宰の「輝く未来」に参加したのち、フリーとして活動。 2008年〜10年に美術作家山口典子の"KEITAIGARL"パフォーマンスのプロジェクトに振付、パフォーマーとして参加。 パリ、香港のアートフェアーのオープニング等でのパフォーマンスを経験。 近年の主な出演作に、teuto『ソーグー』(2009年)、高嶺格演出作品『Melody Cup』(2011年)がある。

増田 美佳(ますだ・みか)
1983年、京都生まれ。京都造形芸術大学 映像舞台芸術学科卒。近年の出演作に、 エルダー世代×相模友士郎『DRAMATHOLOGY』(2010年F/T10参加)がある。 それぞれの体について体で考えるための場「インプロセッションの會」を継続的に行なっている。 http://impronokai.blog94.fc2.com/
ひとりのときは絵を描いている。http://mica-masuda.tumblr.com/

自然的(『大洪水』)あるいは政治的(『大行進』)カタストロフ、 思考の(「俺は今から銀行強盗に行く…仕事がないんだよ、お兄さんたち朝昼晩ギンギンなんだろ、うらやましいなあ」)、 感情の(「蟻を殺す殺す」)、 コミュニケーションの(「おはなししませんか」「なんていいましたか」「コーヒー」)カタストロフは、 スペクタクルとしてではなく、解読されるべきものとして山下残の作品に通底している。 あれほど言葉を活用しながら演劇にも文学にも何も負わず、 身体表現を活用しながら舞踊にもパントマイムにも何も負わないが、 見た目のおおらかさからは想像し難い厳密な訓練を要求する山下残の技法は、 世界の可読性に到達する(『そこに書いてある』)ことに関わっており、この可読性は分かりやすくも難解でもなく、 情報伝達力の有無や多義性の目くらましとも無縁の、解読し得ないもの、耐え難いものの可読性であるように思われる。 それが耐え難いのはそこに全てがあるからであり、山下残が見者、言い換えれば何も見逃さない者、 平たく言えばまごうかたなき現代の芸術家だということだ。
新井知行(国際舞台芸術交流センター)



主催:公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市
助成:公益財団法人セゾン文化財団、財団法人アサヒビール芸術文化財団
共同開発:YCAM InterLab
企画制作:アイホール(伊丹市立演劇ホール)、STスポット、山口情報芸術センター(YCAM)



庭みたいなもの 国内ツアー情報
神奈川芸術劇場(主催:NPO法人STスポット横浜)
2011/09.22(thu)〜25(sun)
お問い合わせ:STスポット tel.045-325-0411  http://www.stspot.jp/
山口情報芸術センター
2012/01/29(sun)
お問い合わせ:tel.083-901-2222  http://www.ycam.jp/